趣味や仕事で作ったプログラムや、最近ではマインクラフトのサーバーを公開したい時に、VPSが選ばれることが多くなっています。
レンタルサーバーよりも自由度が大きく、専用サーバーやクラウドよりも安く利用できるVPSはコスパの良いサービスとして親しまれています。
今回は皆さんの予算感や要求スペックに応じて、ニーズに合ったVPSサービスを見つけてもらうべく、おすすめのVPSを比較しながら紹介します。
VPSとは何か

(※VPSについて既に知っている方は「おすすめのVPSサービス」まで飛ばしてください)
VPSという用語を聞いたことがあるけど、具体的にどのようなものか分からない方もいるかと思いますので、少し説明したいと思います。
VPSとは「Virtual Private Server」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「仮想専用サーバー」となります。
これはどういう意味かというと、一つのサーバーに、仮想コンピューターをいくつか起動させ、利用者はその仮想のコンピューターを管理者として操作できるサービスになっています。
これによって一台のサーバーをまるまる利用する専用サーバーと比べて、他の利用者と共有しながらとなるので利用料金を抑えつつ、専用サーバーと同じ権限で操作できるのです。
ハイブリッド型のサービス
VPSはレンタルサーバーと専用サーバーのそれぞれの利点を取ったハイブリッド的なサービスです。
レンタルサーバーでは、サービス提供者が設定した実行環境を変更することはできませんが、VPSではサーバーを複数人で共有する代わりに、安価で利用できます。
例えば単にPHPを動作させるだけなら、レンタルサーバーで月額500円ほどから始められますが、新たに好きなパッケージをインストールすることはできません。
反対に専用サーバーでは利用者は1台のサーバーを貸し切り、自分が好きなようにカスタマイズすることができますが、月額数万円ほどと趣味で手を出せるような金額ではありません。
VPSはレンタルサーバーの安さと、専用サーバーのカスタマイズ性の両方の性質を持っており、管理者権限を持って自由にカスタマイズできるにも関わらず、月額1,000円未満から気軽に始められるのが特徴です。
- 1台のサーバーに仮想コンピューターを複数立ち上げ、複数人で共有するので利用料金が安い
- 仮想化コンピュータは専用サーバーと同じように好きなようにカスタマイズできる
デメリットもある
このようにVPSは両方の良いところ取りをしたサービスですが、全く欠点がないわけではありません。
第一にレンタルサーバーと違って利用者がサーバーをセットアップしなければならないので、専門の知識が求められます。
レンタルサーバーではウェブサイトのファイルをそのまま転送するだけで動作しますが、VPSの場合は通常SSHというコマンドを使ってサーバーにログインし、コマンドラインを使って実行環境を整えていきます。
基本的にはLinuxのOSを操作することになるので、Windowsとは全く異なるコマンドを使ってセットアップしなければならず、一般の利用者には敷居が高くなっています。
第二に一台のサーバーを複数人で共有するので、他の利用者が大量のデータ通信を行うと回線速度が低下する可能性があることです。
まず始めに断っておきたいのは、一つのサーバーに複数の仮想コンピューターが同居しているとはいえ、一つ一つの仮想コンピューターに割り当てられるリソースは独立しているので、基本的に同居している他のユーザーの影響を受けて、性能が劣化することはありません。
しかし他の利用者から多くのトラフィックが生じると、回線は共有しているため、回線速度が低下する可能性があります。ですからウェブサイトを運用している時に、思うようにレスポンス速度が上がらないということが考えられます。
もっともこれはレンタルサーバーやクラウドでも発生しうる問題なので、これを回避するには専用サーバーを利用するしかありません。
- VPSのセットアップには専門知識が必要
- 他の利用者の状況によって、回線速度が落ちる可能性がある
おすすめのVPSサービス
ConoHa

- ◯ 月額課金でも従量課金でも安い方を選べる
- ◯ LAMPやRails、WordPressのテンプレートで簡単セットアップ
- ◯ ロードバランサー、ローカルネットワーク、プラン変更何でもできる
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
東京 アメリカ(サンノゼ) シンガポール |
CentOS Ubuntu Debian Fedora ほか |
なし | 無制限 | ◯ | ◯ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
512MB | 630円 (1.0円/時) | 0円 | 1コア | SSD 20GB |
1GB | 900円 (1.3円/時) | 0円 | 2コア | SSD 50GB |
2GB | 1,750円 (2.5円/時) | 0円 | 3コア | SSD 50GB |
4GB | 3,420円 (4.8円/時) | 0円 | 4コア | SSD 50GB |
8GB | 6,670円 (9.3円/時) | 0円 | 6コア | SSD 50GB |
16GB | 13,010円 (18.1円/時) | 0円 | 8コア | SSD 50GB |
32GB | 25,370円 (35.3円/時) | 0円 | 12コア | SSD 50GB |
64GB | 49,480円 (68.8円/時) | 0円 | 24コア | SSD 50GB |
Conohaは開発者からの支持を集めて10万件の利用実績があり、その機能性はVPSサービスの中で頭一つ抜けています。
通常は月額料金いくらという価格設定ですが、Conohaは時間あたりの料金に切り替えることもできるので、夜間だけ稼働させたり、一時的に負荷テストを行ったりと、柔軟に利用できるのが特徴です。
開発者向けの機能が充実していて、プライベートネットワークによってアプリケーション層とDB層を分離したり、ロードバランサーで負荷分散をしたり、また既存のマシンをスケールアップすることもできるので、AWSとほとんど同じことがConohaでも可能になっています。
ストレージが少なく感じられるかもしれませんが追加料金で増やすことができるので、利用する分だけリソースを確保すれば、かえって他よりも料金を抑えることができます。
そして一番の特徴は初期費用や最低利用額が全くなく、それこそ1円からスタートすることができることです。 クラウドのように必要に応じて機能を拡張しつつ、それでいてクラウドよりも遥かに安い価格でできるのが強みとなっています。
他にもテンプレート機能によってあらかじめLAMPをWordPressをセットアップできるので、初心者にもやさしく、それでいて開発者ライクで作られています。
VPSとして拡張性がダントツに高く、高機能でありながら、なおかつ競合サービスと比べても値段が安めということもあって、個人的にイチオシです。
現在新たにConoHaを利用すると、最大1ヶ月無料で利用できる1,000円分のクーポンをもらえるので、迷ったらConohaを選択すると良いでしょう。
ServersMan@VPS

- ◯ メモリあたりのコスパは最高水準
- ◯ 後からプラン変更も可能
- ✕ CPUコア数の表記がないので、動作性能が不明
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
東京、大阪 | CentOS 7 Debian 6 / 7 Ubuntu 12.04 / 14.04 |
なし | 無制限 | ◯ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
1GB | 467円 | 0円 | ? | HDD 50GB |
2GB | 934円 | 0円 | ? | HDD 100GB |
4GB | 1,886円 | 0円 | ? | HDD 200GB |
ServersManはメモリあたりのコスパが最も良く、メモリ1GBで467円は業界で最も安いVPSサービスとなっています。
また現在動いている仮想コンピューターを、そのまま上位プランに変更できるので、利用してからスペックを上げたいときでに柔軟に対応できるのはとても助かります。
ただしほかサービスでは記載されるのが通常のCPUコア数が公開されておらず、口コミによるとCPU性能はほかサービスよりもやや落ちるとのこと。(極度に低いわけではないので、通常利用には問題ありません)
またプランの幅が少ないので、CPUのことを含めて高いスペックを求める方には不向きではありますが、メモリあたりのコスパを考えると「とにかく安い料金で利用したい」という方には間違いなくオススメのサービスです。
ただしCPUのコア数が公開されていないのが少し不気味で、有志の人がCPU性能を測定した結果によると、競合サービスよりはCPU性能は劣るとのこと。
現在受け付けていないものの、HDDやメモリを以前は追加料金で増設できていて、今後また対応することがあるかもしれません。
さくらのVPS

- ◯ VPSの代表サービスで利用者も多い
- ◯ 最大メモリ32GB、仮想10コアの高スペックプランもある
- ◯ 選択できるOSが多い
- ✕ コスパ自体は決して良くない
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
東京、石狩 | CentOS 6 / 7 Ubuntu 12.04 / 14.04 / 16.04 Debian 7 / 8 Windows Server 2012 ほか |
2週間 | 無制限 | ✕ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
512MB | 685円 | 1,080円 | 1コア | SSD 20GB |
1GB | 972円 | 1,620円 | 2コア | SSD 30GB HDD 100GB |
2GB | 1,706円 | 2,160円 | 3コア | SSD 50GB HDD 200GB |
4GB | 3,888円 | 4,320円 | 4コア | SSD 100GB HDD 400GB |
8GB | 7,776円 | 8,640円 | 6コア | SSD 200GB HDD 800GB |
16GB | 15,552円 | 17,280円 | 8コア | SSD 400GB HDD 1600GB |
32GB | 30,240円 | 34,560円 | 10コア | SSD 800GB |
老舗のホスティング事業者の「さくらインターネット」が提供しており、以前には「VPS=さくらインターネット」というイメージもあったほどです。
利用者が多く、トラブルシューティングなどの情報がネット上に多く掲載されているのは強みとなります。
ただし料金的にこれといった特色はなく、また初期費用が他のサービスよりも高めなので、コスパが悪いというほどではないにせよ、決して良くはありません。
また通信速度が高速と紹介されていることが多いですが、ネットワークの共有回線は100Mbpsと並なので、サービス仕様上は取り立てて早いわけではありません。
ちなみに上の料金よりもやや割高になりますが、WindowsサーバーのVPSも用意しているので、Windowsサーバーを使いたい人にとっては数少ない選択肢の一つになるでしょう。
さくらはインターネット黎明期から長年に渡って顧客に愛されてきたという「安心・安全」のブランドがあるので、信頼のあるサービスを選びたい人にとってオススメのサービスです。また他のサービスに決め手を感じなかったら消去法的に選ぶのも良いかもしれません。
WebAREA

- ◯ 月額360円から初期費用なしで利用できる
- ◯ スペックあたりのコスパが良い
- ◯ ロードバランサーで負荷分散も可能
- ✕ 選べるOSの数が少ない
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
東京(?) | CentOS 6 上位プランでDebian 6 |
20日 | 無制限 | ✕ | ◯ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
512MB | 360円 | 0円 | 仮想1コア | SSD 20GB |
1GB | 720円 | 0円 | 仮想2コア | SSD 30GB |
2GB | 1,440円 | 0円 | 仮想3コア | SSD 50GB |
4GB | 2,880円 | 0円 | 仮想4コア | SSD 100GB |
6GB | 3,600円 | 0円 | 仮想6コア | SSD 100GB |
WebARENAは「NTTPCコミュニケーションズ」(NTT系列)が提供しているVPSサービスです。
最大の特徴は何といっても、初期費用なし、メモリ512MBプランなら月額360円から借りられる圧倒的な敷居の低さです。VPSでありながら、レンタルサーバーと同等かそれよりも安い値段で使えるのはWebARENAだけです。
メモリ1GB以上のプランを見ても全体的に料金が安くなっており、機能もしっかり備わっており、ストレージはSSD対応、CPUのコア数も競合サービスと同等以上とスペック的には申し分ありません。
また有料とはいえ、負荷分散のためのロードバランサー機能が使えるのは、VPSとしては珍しく、アクセス数の多い本格的なウェブサービスを運用することも十分可能です。
またメモリ8GB以上のスペックを求める場合は、「SuitePRO V4」という系列サービスもあるので、VPSとしての用途はほとんどに対応できるでしょう。
ただしネックになるのはメモリ6GBのみOSにDebianを使用できるが、それ以外はCentOSしか選択できないことです。人気のあるUbuntuなど他では大抵使えるOSが選択できないので、その点だけご注意下さい。
GMOクラウドVPS

- ◯ さくらVPSより全体的に低価格
- ◯ テンプレートにより専門知識なしですぐに始められる
- ◯ 選択できるOSが多い
- ✕ 初期費用が一律4,000円は敷居が高い
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
日本国内 | CentOS 6 / 7 Ubuntu 16.04 Debian 8 Windows Server 2008 ほか |
15日 | 無制限 | ◯ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
1GB | 780円 | 4,000円 | 2コア | HDD 50GB |
2GB | 1,280円 | 4,000円 | 3コア | HDD 100GB |
4GB | 2,380円 | 4,000円 | 4コア | HDD 200GB |
6GB | 4,580円 | 4,000円 | 5コア | HDD 400GB |
8GB | 6,580円 | 4,000円 | 6コア | HDD 600GB |
12GB | 10,480円 | 4,000円 | 7コア | HDD 800GB |
GMOクラウドVPSの良い所は、開発者向けのテンプレートがあり、これを使うことでLAMPPやRuby On Railsの環境があらかじめセットアップしてから始めることができます。
またPleskというツールもあり、これを使うとサーバーとウェブサイトを管理画面からマウス操作だけで行えて、何の専門知識がなくてもWordPressを立ち上げることができます。
コスパは激安VPSほどではないものの、大手のさくらVPSより全体的に安くなっており、最大でメモリ12GB、仮想7コアのCPUが使えるなど高機能サーバーも用意されています。またOSは10種類の最新版が利用可能で、Windowsまでカバーしているのも魅力的。
難点としては、初期費用が一律で4,000円かかってしまい、安いプランを利用するには敷居が高くなっていることです。ただ上位プランでも同じく4,000円なので、その場合の割高感はありません。
コスパがそこそこ良く、スペックや機能面で優れており、マウス操作だけでWordPressを立ち上げられるなど、万人向けのサービスと言えます。
ABLENET VPS

- ◯ 実は料金あたりの性能が素晴らしく高い
- ◯ 回線速度も競合サービスより早い
- ✕ サイトや管理画面の作りが古い
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
大阪 | CentOS 5 / 6 / 7 Ubuntu 12.04 / 14.04 / 16.04 Debian 7 / 8 Windows Server 2008 / 2012 ほか |
10日間 | 無制限 | ◯ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
512MB | 553円 | 934円 | 1コア | SSD 30GB HDD 50GB |
1.5GB | 1,067円 | 0円 | 2コア | SSD 40GB HDD 100GB |
2.5GB | 1,600円 | 2,839円 | 3コア | SSD 60GB HDD 200GB |
4GB | 3,029円 | 3,791円 | 4コア | SSD 100GB HDD 400GB |
8GB | 5,029円 | 5,696円 | 5コア | SSD 200GB HDD 800GB |
ABLENETは性能あたりの料金がとても安く、とりわけメモリあたりのコスパがトップレベルです。
また「メモリ1.5GBプラン」はキャンペーンで初期費用0円となっており、無料体験期間もあるので気軽に始めやすい環境が整っています。
メモリあたりのコスパが最も良い「ServersMan」はCPUの表記がないのに対して、こちらはCPUのコスパも良くて全体的にスキがないサービスで、選択できるOSの種類も多く、Windowsにも対応しており、回線速度も200Mbpsと競合サービスより早くなっている。
利用する分にはさほど困らないとはいえ、サイトや管理画面の作りが古くて、あまりユーザービリティが優れていないのが難点でしょうか。
VPSサービスとして知名度は高くないものの、企業は20年近くホスティング事業を行っている老舗で、これだけコスパが良いのはなかなか魅力的ですね。
カゴヤ・クラウド

- ◯ 料金は月額でも日割りでもOK
- ◯ 料金に対するCPUコア数が多い
- ◯ プラン変更やスナップショット、ストレージ追加などオプション多数
- ✕ 保証メモリーが料金の割に少ない
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
関西 | CentOS 6 / 7 Ubuntu 12.04 / 14.04 Debian 6 / 7 |
なし | 無制限 | ◯ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
1GB保証 (最大2GB) | 864円 (31円/日) | 0円 | 3コア | SSD 80GB / HDD 200GB |
2GB保証 (最大4GB) | 1,728円 (62円/日) | 0円 | 6コア | SSD 160GB / HDD 400GB |
4GB保証 (最大8GB) | 3,456円 (124円/日) | 0円 | 12コア | SSD 320GB / HDD 800GB |
カゴヤ・クラウドの最大の特徴はCPUのコア数あたりの料金が最も安いことです。
実際にウェブアプリケーションを運用する時、省メモリで運用することは容易でも、並列に処理できるかはCPUのコア数に依存するところが多く、CPUコア数を増やすために料金がかさんでしまうこともしばしばあります。
そんな中、カゴヤ・クラウドでは月額864円という低料金で3コアのサーバーが使えるのはかなりのコスパと言えます。(ちなみに、さくらVPSで3コアだと月額1,706円と倍近い値段です)
SSD容量は元から多いのですが、ストレージだけ追加料金で増やせたり、スナップショットを取って設定環境を保存することもできたりと、機能的にも充実している。
一方でメモリは「保証メモリ」と「最大メモリ」に分かれていますが、これは「共有サーバーのメモリに空きがあれば、最大メモリを使えますよ」ということです。
通常時は最大メモリが使用できるのですが、予期せぬタイミングで最大メモリが減る状況もあるので、保証メモリ内に常に収めると、メモリあたりのコスパはやや悪くなってしまうのが難点。
全体としてみるとCPUコア数の多さが際立っており、コア数がパフォーマンスに直結するプログラムを使用する時にはおすすめのサービスです。
お名前.com VPS

- ◯ 全体的にコスパが高く、年間契約だとさらに安い
- ◯ 値段あたりのディスク容量が安い
- △ 一方でこれと言った決め手がない
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
日本国内 | CentOS 5 / 6 / 7 Ubuntu 12.04 / 14.04 / 16.04 Debian 7 / 8 Fedora ほか |
15日 | 無制限 | ◯ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
1GB | 896円 | 0円 | 2コア | HDD 100GB |
2GB | 1,315円 | 0円 | 3コア | HDD 200GB |
4GB | 3,696円 | 5,410円 | 4コア | HDD 400GB |
8GB | 7,505円 | 9,220円 | 6コア | HDD 800GB |
16GB | 15,124円 | 15,886円 | 10コア | HDD 1TB |
独自ドメイン取得の最大手である「お名前.com」のVPSサービスです。
全体的に料金が安めでコスパが良く、特に年間契約をした場合はトップレベルに価格が安くなるのが特徴です。
スペックで見るとHDDではあるものの、価格の割に容量が多いので、画像を多く保存するようなサイトに向いているでしょう。
OSの選択肢も広く提供されており、既に契約したサーバーのプラン変更をできたり、WordPressの簡易セットアップなど、機能的には一通り揃っていて、全体的に良いサービスではないのだが、「これ」という決定的な要素がないのは否めません。
大手企業のGMOインターネットが運営していて信頼性もありますし、お名前.comを既に利用されている方や事業者の信用を重視される方にはオススメです。
CloudCore VPS

- △ メモリあたりの値段が安いが、CPUコア数は少ない
- △ 長期契約なら料金は安いが、短期契約ならちょっと高い
- ◯ ISOをアップロードすれば、使いたいOSが利用できる
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
東京 | CentOS 6.2 ISOアップロードでカスタマイズ可 |
なし | 無制限 | ✕ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
2GB | 1,800円 | 0円 | 2コア | HDD 100GB |
6GB | 3,400円 | 3,800円 | 3コア | HDD 300GB |
8GB | 6,400円 | 5,400円 | 4コア | HDD 450GB |
12GB | 10,000円 | 9,500円 | 6コア | HDD 800GB |
CloudCoreは機能的な特徴で言うと、CPUよりもメモリ優先のサーバー性能になっています。
例えばメモリ8GBプランのCPUコア数はCloudCoreでは「4コア」ですが、他のサービスの多くは「6コア」となっています。
メモリをたくさんに使うアプリケーションには恩恵がある一方で、WebアプリケーションではCPUのコア数に依存して並列処理をするような場合には性能に直結しません。
長期契約をすると上の料金表よりも割安になり、価格的には優位なのですが、短期契約ではかえって割高になります。ある程度、腰を据えて利用することを前提に契約すると良いでしょう。
OS対応は標準でCentOSのみで、自分でISOファイルをアップロードしてインストールするというユニークな面もあり、クセの強いサービスですが、自分に合っていると感じた方はぜひ使ってみて下さい。
FC2 VPS

- ◯ メモリあたりの値段が安い
- ✕ CentOSしか選択できない
- ✕ 回線は高速だが、データセンターがアメリカなので遅延がある
データセンター | OS | 無料期間 | 転送量 | プラン変更 | ロードバランサ |
アメリカ | CentOS 6.3 | なし | 無制限 | ✕ | ✕ |
メモリ | 料金 | 初期費用 | CPU | ストレージ |
---|---|---|---|---|
1GB | 780円 | 0円 | 1コア | HDD 80GB |
2GB | 1,380円 | 0円 | 1コア | HDD 160GB |
4GB | 3,696円 | 0円 | 1コア | HDD 320GB |
6GB | 7,505円 | 0円 | 1コア | HDD 480GB |
8GB | 15,124円 | 0円 | 1コア | HDD 640GB |
インターネット黎明期からの大手にも関わらず、実態が全くの謎ということでも有名な「FC2」のVPSサービスです。
VPSとしての長所はメモリあたりの料金が比較的安いことです。CPUは1コアですが、上位プランになるほどCPUリソースを多く使えるようになっているそうですが、いずれにせよ並列処理をする用途には向かないので微妙かもしれません。
また利用できるOSがCentOSのみで、UbuntuなどRed Hat系を利用されている方は注意して下さい。
またデータセンターの回線は100Gbpsとかなり高速になっているのは魅力的ですが、データセンターがシリコンバレー(アメリカ)にあるので、日本からのアクセスには通信遅延が生じるので恩恵は感じづらいでしょう。
特にウェブサイトを高速に表示したい人は、処理時間よりも遅延の方が大きくなってしまうので注意しましょう。
取り立てて機能面で優れているわけではありませんが、FC2自体に思い入れがあったり、安いVPSを選択したい方には選択肢になるかもしれません。
VPS選びのポイント
さてここまでオススメのVPSをピックアップして紹介してきましたが、最終的にどれにするか決めかねている方のためにいくつか決定方針を紹介したいと思います。
コスパは良いか
VPSの事業者は各社、価格競争を行っているので、どれも比較的安価に利用できるサービスが多いですが、それでも同等スペックでも値段が倍近く違うことがあります。
やはり料金を気にする方は多いかと思いますので、自分にあったプランの中で、なるべく安いサービスを見つけてみて下さい。
スペックは十分か
VPSは後からスペックを変更できないことが多いので、自分が利用しているプログラムに、どれだけのスペックが求められるかを把握するようにしよう。
例えば1台のサーバーで多くのアプリケーションを実行するならメモリが潤沢にあるもの、ウェブサイトから多くのアクセスを求めるのならCPUのコア数が多いものがオススメです。
遅延は少ないか
ウェブサイトを公開する方で、読み込み速度を気にする方は、データセンターがどこにあるのかも気にした方が良いかもしれません。
例えばさくらのVPSではデータセンターが石狩と東京から選べますが、東京と石狩の間では物理的な距離によって20msほどの遅延が発生すると言われており、日本からアクセスを見込むのなら東京のデータセンターの方が総じて遅延は少なくなるでしょう。
さくらでは東京が選べるのですが、他サービスでは東京にデータセンターがない場合もあります。
初心者向けかどうか
VPSで扱えるコンピューターのOSはLinuxがほとんどですが、コマンドラインの操作に慣れていない人で、イチからUnixコマンドを学ぶとかなり時間がかかってしまいます。
そこで「GMOクラウド VPS」などはコマンドラインの操作をしなくても、ブラウザ操作だけでWordPressやRuby On Railsの環境を立ち上げられるようになっています。
レンタルサーバーでは非対応のプログラムを動かしたいけど、コマンドラインの操作が分からない人は、こういったテンプレート機能を用意してくれているサービスが良いでしょう。
VPSとクラウドの違い
ちなみにVPSと似たサービス形態として「クラウド」があり、こちらのほうが聞き慣れたフレーズかもしれません。
VPSとクラウドはどちらも1台のサーバーに複数の仮想コンピューターを同居させたもので、良く似たサービスとなっていますが、以下のような点で異なります。
サーバーの追加、拡張性
VPSでは基本的に1つの契約で1台のサーバーを利用しますが、クラウドは1つの契約で何台ものサーバーを利用することができます
それこそ大規模なサービスともなれば、クラウドで数千台規模で扱うこともあります。
VPSでも同様のサービスを導入しているものもありますが、クラウドでは利用中のサーバーのスペックを自由に上げたり下げたりすることができます。
例えば突発的にアクセスが増えそうだったらスペックを上げ、それが過ぎたら元に戻すといったことはクラウド向きです。
機能面での違い
クラウドでは複数台のサーバーを簡単に扱うことができ、それらのサーバーに負荷を分散させるための「ロードバランシング」という機能を簡単に使えます。
またこれに限らず、クラウドで開発者向けに様々な機能が揃えられており、仮想コンピューターを使えるだけのことが多いVPSよりも機能面で上回っています。
利用料金
VPSは通常月額料金であるのに対して、クラウドでは時間割の課金となっている。
クラウドは従量課金制になっていて、短時間だけ大量のサーバーを稼働し、平常時はそれよりも少なくする、ということをすれば料金を節約することができます。
ただ常時同じだけのサーバーを利用するとなると、VPSの方がかなり割安で、例えばサーバーは常時1台稼働していれば良いという状況なら絶対にVPSの方がオトクです。
まとめ
- クラウドはサーバーを簡単に増やしたり、性能を調整できる
- クラウドでは負荷対策などの機能が提供されていることが多い
- VPSは月額料金だが、クラウドは従量課金
- サーバー台数が常時同じならVPSの方がかなり割安
自宅サーバーの利用は控えましょう
実は自宅のネット回線やPCを使ってインターネット上に公開することは、さほど専門知識がなくてもできます。
VPSをレンタルしなくても自宅のPCを使ってそのまま公開したいという方もいるかも知れませんが、よほどのリスクを覚悟でなければやめておきましょう。
世界の得体の知れない攻撃者の標的になった時に一般の人が対策することは至難で、ウイルスに感染したりするリスクが高まります。そうでなくても多くのアクセスを集めた時に、集合住宅全体の回線がパンクしてしまう可能性があるでしょう。
VPSのサービスは自宅回線よりも遥かに高速で安全なものが安価で提供されているので、月1000円程度の金額を節約しようとせずに素直にVPSを利用することを強くオススメします。
最後に
VPSはレンタルサーバーとあまり変わらない値段で、管理者権限をもって自由に環境をカスタマイズできるのが魅力的です。
ここで掲載していない他のサービスはありますが、記事では選りすぐりのサービスを厳選しているのでぜひ参考にしてみて下さい。皆さんのニーズに合ったサービスを見つけるヒントになれば幸いです。
最初は気楽に立ち上げても、途中で何かの仕組みを始めたいと思った時、選んだVPSは違ったな、と後から思うことが多くて。最近は目的が明確になってから選ぼうと思うが、それでもなかなか。とても役に立ちました。他のサイトよりVPSベンダーの種類が多いですね。