大谷翔平の2017年の年俸はなぜ3億円に到達しなかったか。年俸の推移も紹介。

どうも、ゴトーだ。

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俺は三度の飯より野球が好きでな。
もちろん大谷翔平にも現代の野球を象徴するスーパースターとして注目している。

大谷の2016年シーズンは複数ポジションでのベストナインやMVP獲得など過去最も充実していたことから、年俸が跳ね上がるのではないかと言われていた。
契約更改が12月5日に行われたのでその内容を紹介しよう。

大谷翔平とは?

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もはや説明するまでもないが、大谷翔平はプロ野球のスーパースター、いや、もはや生ける伝説と言っても良い。
現代の野球では絶対に無理だと言われていた二刀流を、誰もが予想していなかったレベルで両立している。

2016年は紆余曲折あり、当初は悪いシーズンだと思われたが、終わってみれば、投手としては10勝4敗で防御率1.86、野手としては打率.322、22本塁打、67打点、OPS1.004と、投打どちらでもリーグトップレベルの成績を残した。

タイトルこそ獲得していないが、投手としては規定投球回数に到達していればぶっちぎりで最優秀防御率、打者としても規定打席に到達していればOPSはリーグトップとなっていた。
そんなわけで大谷のためにベストナインのルールが改定され、DHと投手の2つのポジションでベストナインを獲得する史上初の快挙を達成している。

そして当たり前のようにパ・リーグMVPにも選ばれていて、12球団の選手の中でも頭一つ二つ抜きん出た存在になった。
アメリカからも「世界最高の選手の一人」と高く評価されていて、大手メディアも大谷のことをたびたび報道している。

年俸は2億7000万円!

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契約更改は日ハムの中では最後の、12月5日に行われた。

今年の大谷翔平の投打の活躍はめざましく、前例にない成績だから査定が難しいものの、年俸3億円超えは確実だと思われていた。
しかし、実際には2億7000万円と案外安い金額での契約となった。

巨人ならば3億はおろか4億を超えてそうなものなのに、日ハムの査定は辛すぎると案の定批判されている。
では、なぜ3億円を超えなかったのか考察してみた。

来年のメジャー移籍も容認

この契約更改では、来年のオフにメジャー挑戦することの容認を勝ち取っている。

もともと大谷は日本球界を経由しないでメジャー挑戦しようとしていたので、既定路線ではあるが、高卒から入団5年目での挑戦は過去最速だ。

なぜ3億円を超えなかったか

大谷の年俸は3億年を超えるのは確実と見られていただけに、超えなかったことに対して憶測がいくつも飛んでいる。
そのため、この記事でもいくつか考察してみた。

年俸の査定はどうなってるの?

そもそもプロ野球選手の年俸査定がどのようになっているのか説明したい。

一般的にプロ野球では、投球回数や打席数、ヒット、失点などの要素をポイント形式で加算していき、その合計ポイントがベースになる。
そこから規定打席や規定投球回数に到達しなければマイナス、一方でMVPなどのタイトルを取ればプラスの査定がされる。

大谷の場合、今年は投手、野手ともに規定回数に到達していないので、それがマイナスとなったという説もある。
ただどちらかのポジションではほぼフル稼働していたのでその解釈はやや無茶ではある。

投手での登板回数こそ減ったものの、成績は去年と遜色ないし、野手としての貢献度は大幅に上昇している。
さらにオールスターMVP、パ・リーグMVP、2部門でのベストナインということを考えると2億7000万はやはり安すぎるだろう。

1. メジャー流出を想定

前述したように、大谷は翌年のメジャー移籍の可能性が高い。
なので大谷の在籍を長期的に見越して、高い年俸を支払う必要性がなかったのではないか。

酷い話ではあるが、日ハムは結構その辺ドライにやる球団のイメージが有る。

2. 経営事情

日ハムは札幌ドームの使用料や運営料を受け取れる球団ではなく、観客動員による球団の収入に限界があるらしい。
そのため大谷の活躍をベースに査定したのではなく、球団の懐事情から出せる金額を逆算したのかもしれない。

3. 中田翔への配慮

チームの顔であり4番を打っている中田翔がその前に契約更改をしていて2億8000万円となっている。中田は3億に行かなかったことに不満を述べていて、それが「2」に関係していたのかもしれない。

また中田よりも遥かに貢献度の高い大谷が、それよりも1000万円だけ低いというのは、中田を超えないように配慮がされていたのかもしれない。
中田の性格的にもそれを超えたら拗ねて、チームに悪い影響が出る気はする。

大谷翔平、ダルビッシュ、田中将大の推移

参考までに、2000年代を代表する選手かつ最速記録を作ってきたダルビッシュと田中将大との推移も比較してみた。

年数 大谷翔平 ダルビッシュ 田中将大
1年目 1500万 1500万 1500万
2年目 3000万 3000万 6000万
3年目 1億 7200万 9500万
4年目 2億 2億 1億8000万
5年目 2億7000万 2億7000万 2億
6年目 来年あれば 3億3000万 3億2000万

基本的に大谷はダルビッシュと同じくらいの評価をされているのが分かる。
マー君は新人王を取ったので2年目の上がり幅は大きいが、それ以降は少し上がり幅が緩やかになっている印象だ。

ちなみに野手での3億円の最速記録は山田哲人とイチローで、高卒7年目で達成している。

大谷のプロキャリア

この記事はあくまで年俸を主題としているので、そこまで深く追っていかないが、簡単に大谷のプロキャリアのおさらいをした。

普段あまり野球を見ないから大谷の経歴はあまり知らないという人は、これを読めばいかに大谷の成長が目覚ましく、凄まじいキャリアだったが分かってもらえるのではないか。

1年目 – 2013年

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1年目の大谷は即戦力ではなく、素材型の選手と見られていて、同年代では阪神の藤浪晋太郎の方が評価が高かった。

それでも幸か不幸か糸井嘉男がトレードされたことで外野にポジションが空き、バッターとしては77試合に出場。投手は2軍での登板がメインだったが、1軍では勝運もあって3勝0敗となっている。

高卒1年目としては十分過ぎる成績だったが、新人王は則本の成績が抜きん出ていたので投票では2位に終わる。

2年目 – 2014年

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投打ともに飛躍したが、投手成績の向上が目覚ましかった。

投手としては11勝4敗、防御率2.61と19歳にしてエース級の活躍を果たし、打者としても10本塁打を打って、プロ野球史上初の「2桁勝利2桁本塁打」を達成。
これはMLBを含めてもベーブ・ルース以来の96年ぶりの記録となっている。

またオールスターと10月の楽天戦で、プロ野球の最速タイ記録となる162キロをマークしている。

3年目 – 2015年

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投手としてさらに飛躍した年となり、15勝5敗、196奪三振、防御率2.24という成績を残し、最多勝、最高勝率、最優秀防御率の投手3巻を獲得。
打者としては低迷して打率.202、本塁打5とキャリアワースト記録となり、DHのポジションも奪われている。

オフに行われた国際大会のプレミア12では投手に専念し、2度の韓国戦を無失点に抑えるエース級の活躍を見せた。

4年目 – 2016年

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この年は開幕から内容・援護ともに恵まれず、登板6戦目にしてようやく白星を手にする。
その一方で打者としては目覚ましい活躍を見せて徐々に投手成績も向上していく。

7月3日には打者として先頭打者ホームランを放ち、投手として無失点に抑えて勝利するなど、これまでにない二刀流ぶりも見せつけた。
中盤に指のマメを潰して投げられなくなるも、野手に専念してから打ちまくり、シーズンでのホームランを22本まで伸ばした。

終盤には投手復帰し、優勝争いをしていたソフトバンクキラーとして、さらに優勝がかかった試合では1安打完封勝利を収め、胴上げ投手となった。

クライマックスシリーズの最終戦では抑えとして登板し、自身が持つ日本最速記録を塗り替える165キロを記録。日本シリーズでは第3戦にサヨナラヒットを打って、10年ぶりの日本一に貢献した。

主要タイトルこそ獲得はならなかったが、オールスターではホームラン競争優勝、MVP獲得、さらにリーグMVP、2部門でのベストナイン受賞など異例尽くしのシーズンとなった。

来年オフにメジャー挑戦か?

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大谷が早くからメジャー行きとなるのは当初からの既定路線だった。

なぜなら大谷はドラフトが行われる前に、日本球界を経ないでメジャーリーグに挑戦することを表明していて、各球団が指名を見送っていた中で、唯一日ハムだけが強行指名に踏み切っている。
それでも当初、大谷は指名されても「入団する可能性はゼロ」と言うほど、日ハムに入団する意思はなかった。

そこから日ハムが5度の入団交渉を経て、大谷を何とか口説き落としたのだが、その中に将来メジャー挑戦を容認する条件があったとされている。

そして入団から4年が経過し、大谷が期待以上の二刀流での活躍をして、日ハムを日本一に導いたことから、今回の契約更改で大谷のメジャー挑戦が容認されることになった。

巷では「来年だよね」という空気になっていたが、今回正式に球団の許可を得ることができたので、おそらく来年が大谷の日本球界最後の年になるだろう…と思われていた。

メジャーの労使協定の変更でメジャー行きが遅れるかも?

しかしその大谷のメジャー挑戦を阻む出来事があった。

それは11月29日にメジャーリーグと選手組合が結んだ労使協定の変更が原因だ。

これはどういうことかというと、メジャー球団が海外から選手を獲得するときに、契約金の上限が550万ドルまでとなる対象年齢が22才から25才に引き上げられたのだ。

大谷は古い労使協定なら来年23才になって上限を免除されるのだが、新しいものだと4年後に26才になるまで待たないといけなくなる。

少しややこしいことに、一度この報道が出た後に、「日米のポスティングシステムは関係ないよ」と否定する報道があったのだが、どうやらやっぱり大谷にも適用されることがわかっている。

本来なら3億ドルを超えるような大型契約になる可能性があったのが、もし来年にメジャー挑戦すると最大550万ドルというしょぼい契約になってしまうので、アメリカの報道だと大谷はしばらくメジャーに来ないのではないかという論調になっている。

大谷はこの報道のことを知っていて、お金ではなく挑戦したいだけと言ってはいるが、日ハムにとっては余りにも安い契約を許すかどうかが一つの争点になるだろう。
どうやらこの規定を大谷は免れることはできなそうなので、来年一悶着ありそうだ。

www.gamehuntblog.com

ダルビッシュやマー君のメジャー挑戦時期は?

大谷が仮に来年メジャー挑戦することになれば入団から5年と異例の速さとなる。
ダルビッシュは日本で7年、田中将大も同じく7年、イチローに関しては9年在籍後にポスティングシステムを利用している。

これだけ早くからメジャー挑戦できるようになったのも、偉大な先人たちの功績ゆえだろう。

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