どうも、ゴトーだ。
11月1日からニコニコ生放送にて「新配信(β)」というサービスが開始されたようで、それについて実際どうなのよ?というところを調べてみた。
新配信(β)の概要
配信ビットレートが384kbbs→1Mbbsに上限が緩和
そもそもおさらいとして、競合サービスはいまやライブ配信でHD画質が当たり前になっているのに、ニコニコは未だに2010年くらいのあまりにも古くさいシステムで今まで来てしまっているから、ハッキリいってクソ画質として生主の間では有名だった。
実際それが一つの要因となってゲーム配信者はTwitch、雑談配信者はツイキャスにどんどん流れていったという経緯があるから、画質を上げるのが喫緊のテーマだったということだ。
ビットレートとは、端的にいうと「1秒間にどれだけの情報量をつめこめるか」という値で、これが大きければ大きいほど画質の大きな映像(=情報量が多い)ものを届けられることになる。
後述するが実は1Mbbsというのは凄い、と見せかけて実は全く凄くない。
1番組あたりの座席上限がなしになった
これは人気の放送だと追い出されてしまうというシステムのことで、「これが無しになった、やったぜ」と言いたい所だが、実際にはプレミアム会員が優先で一般会員は追い出されることがあるらしい。
本当に上限があがっているのかはわからないというのが真相だ。
それにしても今時追い出しシステムなんてあるのはニコニコくらいだし、普通のユーザーが見られない環境にあるというのはかなり強気なサービスだな。
延長が30分無料になった
ニコニコ生放送での配信は30分が一区切りで、30分経過したら「延長」という有料サービスを使わないと、また放送枠を取り直さなければならない。
ツイキャスなんかは30分で終わるとは言え、同じページで待機していればまたそこから再開するのだが、ニコニコ生放送の場合は視聴者も30分おきに新しい放送ページに移動しなければならないという、これまたかなり古くさいシステムになっている。
一応30分だけ延長できるというのはまだマシになった、というところだが、競合サービスと比べるとあまりにも不便なシステムであることに変わりはない。
新配信(β)のダメな所
新配信を使えるのが100放送までしかない
この新配信(β)だが放送できるすべてのユーザーに開放されているものの、一度に使用できる放送が100枠しかなくて、使用するには順番待ちになってしまうから、それが面倒で敬遠しているユーザーがほとんどらしい。
サーバー負荷の問題なんだろうが、ほとんど使えないのでは意味がない。
画質は競合サービスより悪い
実は1Mbbsといっても国内の配信サイトにすら画質で劣っている。
例えばOPENRECというゲーム配信の専用サイトでは推奨ビットレートが2Mbbs ~ 2.5Mbbsとなっていて、新配信(β)よりも遥かに高画質で配信することができる。
もちろんYouTube LiveやTwitchといった海外の配信サイトとも比較にならないほど劣っている。
要はこれまでのクソ画質が少しだけ良くなるよ、というだけで競合優位性どころではないということだ。
ただ画質向上の上でアキレス腱になっているのが、独自の画面に流れるコメントシステムなのかもしれない。
というのもビットレートを上げれば上げるほど配信のラグが多くなってしまって、YouTube Liveではラグが20秒近くなることもあるらしい。
ニコニコ生放送のように画面にコメントが流れるのに20秒もラグがあるというのは、仕組みとしてあまりにも欠陥になってしまうので、高画質化に踏み切れないというのが事情としてあるのではないか。
OPENRECの2Mbbs ~ 2.5Mbbsというビットレートでも10秒~15秒ほどのラグが生まれるようで、実際には1Mbbs以上になるとユーザー体験が落ちる、というのが真相かもしれない。
結局のところ競合優位になっていない
これは画質にも当てはまることだし、座席上限のことなど全般的に言えることだが、結局改善といっても競合サービスよりも良くなったというポイントは一つもなくて、ニコニコ生放送固有のクソさが多少マシになったということくらいでしかない。
それも100放送までしか使えないから大抵の放送主は使えないし、あまりにも限定的な内容でニコニコ生放送のイメージをガラッと変えるようなものではない。
そもそも30分ごとの放送枠という仕組みは必要なのだろうか。
今時ユーザーが放送枠が終わるたびに、次の配信を探すという仕組みはユーザーに負担をかけすぎだし、放送主にとってもリスナーにとっては何もメリットがないと思うのだが…。
まとめ
ニコニコ生放送に限らず、ニコニコというサービス全体に言えることだが、あまりにも進化が遅く、そしてその方向性に疑問が残ることばかりだ。
最近ようやく動画プレイヤーがHTML5化したとのことだが、YouTubeから4年くらい遅れているし、システムも2012年から全く刷新されておらず、未だに動作がもっさりしている。スマホアプリに至っては「これいつの産物だ」と言いたくなるくらい使いづらいし、なぜユーザビリティの向上をしないのかが謎だ。
実際にドワンゴという会社がどのように動いているのかはわからないが、ユーザーからすると殿様商売もここまでだ、と言いたくなるくらい動きが遅い。
もちろんニコニコの世界観は大好きだし、ここでしか見られない面白い動画がたくさんあるのだが、これだけ迷走しているとオワコン化は止まらないだろうな。
追記: 視聴者として使ってみた
こちらは後日、追記した内容だ。
憶測だけで投げっぱなしになるのも何だから、新配信(β)を視聴者として利用してみた時に感じたことをあげていきたい。
デザインが今風になった
まず一番おっと思ったのがUIが刷新されていることだな。
配信プレイヤーだけ変わったのではなく、配信環境を丸ごと置き換えていて、割りとゼロベースで改善されていた。
特にニコニコはアプリにせよブラウザにせよ改善が遅すぎて、デザインが古臭くなっていたから、それが現代風になっていたのが一番好印象だな。
ただ動画プレイヤー周りだけ妙にキレイなのにニコニコ市場とかは昔の使い回しだから統一感がないのが気になった。
まあこれは新配信がスタンダードになってきた頃合いくらいに変更さるのかもしれないな。
HTML5対応はしていない
ニコニコ動画の方は随時HTML5対応を進めていて、現在は登録番号が若い人にだけ開放されている。
ニコ生の新配信(β)もHTML5対応しているのでは?と思ったがこれは変わらずFLASHのままだった。
最近ではゲーム実況で世界最大手のTwitchもHTML5対応しているので、もしかしたら今後はHTML5対応の流れがあるかもしれない。
画質はそれほど良くない
上でビットレートについて触れているが、基本的に画質はビットレートに依存するので1Mbbsになったと言っても、競合サービスよりもまだ随分劣っているので気持ち画質よくなったかな…とは感じるが、凄い良くなったな!とは思わなかった。
まあ自分の場合はTwitchをよく見るからそっちに目が慣れてしまっているだけで、普段ニコ生しか見ない人は良くなったと思うかもしれないが。
枠数の都合からかあまり利用されていない
そもそも枠数が100しか開放されていないので使えないというのもあるが、もとから使おうとしない配信者も多い。
検索で「新配信」と打ち込みでもしないとなかなか新配信がどんなものかは体験しづらいと思う。
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