どうも、ゴトーだ。

俺は三度の飯より総合格闘技が好きでな。
今回紹介する村田夏南子は非常に注目している選手だ。
レスリングではあの吉田沙保里を史上最も追い詰めた日本人と呼ばれるほどの選手だったが、22歳で総合格闘技に転向した異色の選手でもある。
村田の転向は、総合格闘技はもはや男だけのものではないということを象徴する出来事だった。
村田夏南子とは?

村田夏南子はアマチュアレスリングの選手で、現在は総合格闘技も並行して行っている。
生年月日は1993年8月10日で23歳。(2016年現在)
身長は156センチ、体重は53キロ。
村田のニックネームは「吉田沙保里が恐れた天才タックラー」となっているように、レスリング時代は吉田沙保里を最も追い詰めた日本人選手として知られている。
レスリング時代の実績としては2011年に世界ジュニア選手権優勝、吉田沙保里が欠場した2012年に全日本レスリング選手権優勝。
2011年の全日本選手権では吉田沙保里を試合終了直前までリードしていたことがよく語られている。
2016年からは総合格闘技に転向していてRIZINに参戦している。
ただし山本アーセンと同じく、レスリングを退いたわけではなく、今は総合格闘技に専念していて、東京オリンピックは視野に入れて二足のわらじを履いている状態。
女子のトップアスリートとしては異例の転向
これまで男子の総合格闘技では吉田秀彦や石井慧などの金メダリストが転向してきたことはあったが、女子ではオリンピックのメダルが期待されるレベルの現役選手が転校してくるケースはおそらく日本では初めてだろう。
男子の場合は、特にアメリカで活躍すれば大金や名声を得られる環境にあったのに対して、女子の総合格闘技はあまり歴史がなく、見ている人も限定的だった。
しかし近年UFCが女子部門を作って、ロンダ・ラウジーというスター選手が出てきたことで脚光を浴びてきている。
村田もロンダ・ラウジーに憧れているらしく、女子でもトップ選手なら生活できるほど稼げるようになってきたというのが村田転向の背景としてあるのだろう。
今後さらに市場が増えてくれば、村田クラスの選手が転向することがあるかもしれない。
ゴトー’s Eye
トップアスリートの総合格闘技転向ということで、異例度と将来性を高めに。
実力に関しては下で説明しているようにまだ未知数。スター性は正直あまりない。
異例度 | ★★★★★ |
将来性 | ★★★★☆ |
実力 | ★★★☆☆ |
スター性 | ★★☆☆☆ |
村田夏南子の経歴
レスリング時代

村田は実は最初はレスリングではなく柔道を幼少期から取り組んでいた。
オリンピックには出ていないが、国際大会で何度も優勝している浅見八瑠奈という選手と同じ道場に所属していたらしい。
柔道でもかなりの実力者で、小学生の時に全国大会3位、中学生では柔道留学をして2年生の時に全国大会、国際大会でも優勝している。
しかし3年生の時に柔道のルール改定で、得意としていた肩車や掬い投げが禁止・制限されることで柔道を辞めてレスリングに転向することを決める。
ちなみにレスリング転向の一つの理由は後に対戦することになる吉田沙保里への憧れもあるらしい。
高校ではレスリングの名門校に進学して、転向から間もなくして全国大会を総なめにする実力者となった。
高校の3年間でジュニアクイーンズカップ 、ジュニアオリンピック、全国高校女子選手権をそれぞれ3連覇するなど無敵の強さだった。
(もっとも経歴だけ見る限り、柔道とレスリングの競技人口の差によるものが大きい気がする。)
高校2年生の時に始めて吉田沙保里と対戦。高校3年生の時に全日本レスリング選手権決勝で吉田から終了直前までリードしていたが、逆転を許し2位に終わっている。
この時の経歴から「吉田沙保里が恐れた天才タックラー」という異名につながった。
ちなみに吉田が日本人に直近で負けたのは2001年に山本聖子で、15年間無敗。ちょっとこの人はおかしい。
翌年の2012年には吉田沙保里が欠場した全日本レスリング選手権で優勝。
それに加えて、アジア選手権、世界ジュニア選手権、ゴールデングランプリと主要大会を総なめにして、この時がレスリングキャリアではピークだった。
2013年には全日本レスリング選手権3位、2014年にはなぜか63kg級で出場して3位となっている。
それ以降体重を上げて60kg以上の階級で戦っているが、2015年時点で総合格闘技への転向を決めている。
総合格闘技への転向

2015年の大晦日に、今後RIZINで戦うことをリングの上でアナウンスされる。
その時に「応援してくださいとは言いません。言わなくても自然と応援される選手になります。」強気の宣言をしている。
デビュー戦は2016年4月のRIZIN.1という大会。
相手はナタリア・デニソヴァという選手なのだが、打撃の強さを証明するエピソードが「父親がプロボクサー」という紹介を見て、正直「あっ(察し)」という感想を抱いた。
この試合ではレスリング仕込みのタックルで度々テイクダウンを奪って、パウンドや関節技を仕掛けて判定勝利。
決め手こそ欠いたが潜在能力の高さは見せつけた。
2戦目はアメリカの大会に参戦して3RKO勝利、3戦目は国内の大会に出場して1RKO勝利。
4戦目はまたRIZINでの試合で、キーラ・バタラという選手。
煽りVTRでは「初めての強敵」と紹介されていたが、戦績を見ると5勝3敗で、勝ってきた相手を見ても特に実績のある選手ではなかったので、わりとどこにでもいるレベルの選手だった。
(とりあえず相手を持ち上げないといけないという大人の事情があるので生暖かく見守ろう。)
ただし村田自身の打撃技術は向上していて、打撃だけでもこのクラスの選手なら互角以上に渡り合える試合展開だった。
組めばもちろん簡単にテイクダウン取れるし、相手を持ち上げて倒すような大技も見せていた。
ロンダ・ラウジーへの憧れ

村田が総合に挑戦した理由は、UFCの元バンタム級王者であるロンダ・ラウジーに憧れていたからだ。
スマホの待ち受け画面にするくらいのファンらしい。
ロンダ・ラウジーは元柔道の銅メダリストで、2013年からUFCに参戦している。
UFCが女子部門を作ったのはロンダ・ラウジーがいたのが大きな理由で、ほとんどの試合を1分以内で決着をつけてしまう、とんでもない強さで全米を席巻した。
どれくらいの席巻具合かというと、2015年のGoogle検索ランキングで「世界で最も検索された人物」で2位、「最も検索されたアスリート」でアメリカとイギリスで1位となるなど、格闘技という枠を超えて注目されまくった。
強すぎて男でも勝てないっしょ…みたいな論調が蔓延していて、「フロイド・メイウェザーとロンダ・ラウジーが総合格闘技で試合したらどっちが勝つか」というアンケートが取られて、ロンダ・ラウジーが有利になったりもした。
メイウェザーとしてはいい迷惑だが、「彼は一体誰なんだ?」という粋な挑発もしていた。
2015年にホーリー・ホルムという選手に派手にKOされたことで、精神的なダメージが大きく今は長期休養中。
自殺も考えたくらいにショックだったらしいが、それにしてもアメリカのスポーツは浮き沈みが大きい。
村田はUFCを目指していると公言はしていないはずだが、こういうアメリカンな舞台に憧れているはずなので、RIZINで名を挙げたら早い段階でUFCに参戦しそうな気がする。
村田夏南子の実力は?
総合格闘技では2016年に4戦し、年末も試合をするので年間5試合ペースとハイペースにこなしているが、実際どれくらいの実力なのか紹介したい。
普通の選手の場合は他の選手との戦績を見れば大体この辺ということは示せるのだが、村田の場合は「経歴紹介」のところでも触れたように、村田が確実に勝てるレベルの選手としか対戦していないので、具体的な実力はかなりわかりづらくなっている。
もっともこういったキャリアの積ませ方はボクシングでもよく見られるし、別に後ろめたいことではない。
かといって手放しに賞賛されるほどのものでもないと思う。
最大の強みは何と言っても、レスリング仕込みのテイクダウン能力で、これまで戦ってきたレベルの選手だと組めばほとんど全てテイクダウンを取れるほどスバ抜けている。
またトップアスリートだけあって身体能力が高く、スタンドの打撃でもステップワークの速さが際立っていて、パンチのスピードもかなりのもの。
相手を軽々持ち上げるパワーもあるし、アスリートとしてのベースの能力が高いのが魅力的だ。
ただし打撃は上達こそしているがガードが下がって危なっかしかったり、相手に致命打を与えるような威力はまだないので、総合的に見るとレスリングの選手というイメージが強い。
それにレベルが上ってくれば、組んでもそう簡単にテイクダウンを取れなくなってくるはずなので、高いレベルの選手と当たって通用して初めて、本物と評価できるだろう。
中井りんとの試合が試金石になるか

村田夏南子は年末(12月29日)に熱望していた中井りんとの試合が決まっている。
中井りんは上の画像の人。実はこの画像はかなり健全なもので、画像検索をすれば分かる通り、エロさを全面に押し出して人気を獲得している選手だ。
以前は生活苦で、ブログに銀行口座を載せてそこに金を振り込んでくれ、というかなり際どいことをしていたり、今は本気か知らないがカブトムシを売りながら生活しているらしい。
こうして書くとかなりの色物選手に見えるかもしれないが、女子格闘技の中では屈指の実力者だ。
国内では19戦して18勝1分。その実績が買われてUFCに参戦したが、階級が少し違うこともあって通用せず、2戦2敗でリリースされているが、復帰戦では相手の顔面を破壊して勝利している。
要は国内最強かつUFC未満というレベルで、村田がもし中井りんに勝てば国内ではほぼ敵なし状態になることを意味する。
格闘技的にはそれなりに見どころのある対戦になったが、かなりマニアックな試合であるのは確かなので、お茶の間のチャンネル権を奪うのは難しい試合だろう。
むしろ、この試合がテレビ放送されるかどうかが一つの見所でもある。
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