どうも、ゴトーだ。

俺は三度の飯よりHoneyWorksが好きでな。
ハマりすぎて気づいたらハニワの曲を全て聞いてしまったよ。
さて今回はHoneyWorksの中でも指折りの人気曲である「世界は恋に落ちている」の解釈について紹介したい。
終わり方が思わせぶりなので、どちらか気になっている人も多いはずだ。
HoneyWorksとは

HoneyWorksとは2010年からニコニコ動画にボーカロイドの曲を投稿し、2014年からメジャーデビュー。近年やラノベや映画など様々なメディアに露出している音楽ユニットだ。
世間的な知名度はあまり高くないが、10代女子からの支持が熱く、楽曲や映画は想定以上のヒットを記録している。
正直、この題材とゴトーというキャラとの相性は最悪だが、なかなかキャラをチェンジできないのでこのまま突っ切らせてもらおう。
(HoneyWorksのような記事が伸びたら新キャラが登場するかもしれない)
HoneyWorksの特徴としては、音楽ユニットでありながら、投稿された動画がストーリー調になっていて、ストーリーありきで曲が作られていることだ。
もちろん音楽単体で聞いてもどれも素晴らしい曲なのだが、映像と共に見ることで想像が掻き立てられて、より心に残る作品になっている。
また映像で綴られるストーリーがハッピーエンドになることもあれば、謎のまま終わって1年後に続きの作品が登場することもあれば、バッドエンドで終わることもあったりと、なかなか良くできているので、もっと幅広い年齢層に受けても良い気がする。
ちなみにニコニコ動画の黎明期に大ヒットした「おっくせんまん」を歌っていたゴムが作詞作曲など中心的な役割を務めており、何気に歌い手としては最も出世頭だったりもする。
「世界は恋に落ちている」とは?
「世界は恋に落ちている」は2014年7月25日に公開された動画で、YouTubeでは3400万回以上の再生、ニコニコ動画でも300万回以上の再生と、HoneyWorksでも屈指の人気作となっている。
歌っているのは「CHiCO」という歌手で、ソニーミュージック系の所属歌手で、ボカロに特化したオーディションに合格し、HoneyWorksとコラボして様々な楽曲を歌っている。
HoneyWorksは色々な歌い手や声優たちとコラボしているが、CHiCOはほとんど専属のような形で一番多くの楽曲を担当している。
「世界は恋に落ちている」はCHiCOのデビュー曲で有料音楽配信が10万ダウンロード超え。
この曲が収録されているアルバム「世界はiに満ちている」は初週売上2.4万枚でオリコン5位に入るなどセールス的にも非常に成功している。
世界は恋に落ちているの解釈
「恋のコード」を見ないと分からない
さて、それでは本題に戻って「世界は恋に落ちている」の解釈に戻ろう。
この曲で一番の謎は、最後に男を呼んでキスをしたのが、黒髪の子と茶髪の子のどちらかなのか分からないということだ。

これは「世界は恋に落ちている」が投稿された当時はどちらなのか単に憶測するしかなかったのだが、翌年に投稿された「恋のコード」を見ることで、どちらなのかが分かるものとなっている。
ここでは「恋のコード」を含む、二つの作品をごちゃまぜにした解釈になっている。
そのため「世界は恋に落ちている」しかまだ見ていない、という人はこの記事を読む前に「恋のコード」を先に見ることをおすすめしたい。
登場人物紹介

この動画の登場人物は3人いて、それぞれ男と、黒髪の子と、茶髪の子だ。
恋のコードを見ると男の名前が「要」ということがわかるが、女の子は二人とも名前がでていない。
ただし、アルバムの「世界はiに満ちている」の初回特典版についているライトノベルを読むと、二人の女の子の名前や経歴も書かれている。

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阿久津 要

まずこの男の名前は「阿久津 要」という。
中学時代から吹奏楽をやっていて、現在高校1年生。
下で紹介する女の子二人とはクラスメート。
桜井 岬

茶髪の子で、「世界は恋に落ちている」の主人公。
中学時代のとある出来事から男子恐怖症になってしまったが、入学して間もなくの頃に、隣のクラスの要と手紙のやり取りをすることで徐々に克服しつつある。
要のことが好きで、その憧れから楽器を始めるようになる。
夏川 つぼみ

黒髪の子で、岬とは中学時代からの親友。
岬と違って男子とは普通に話すことができて、要のことが好きな岬を最初は応援していたが、だんだん要のことが好きになっていく。
実家は楽器店を経営していて、要がそこに通っているので交友があった。
ストーリー

恋のコードの冒頭で、要(男子)と岬(茶髪の子)の手紙のやり取りが始まるシーン。
岬は男子恐怖症だったが、要が突然渡してきた手紙にクスっと笑って、いつしか授業中にこっそり二人で手紙のやり取りをするように。

やり取りを続けていくうちに段々良い感じになっていくのを、つぼみ(黒髪の子)がそれを微笑ましそうに見ている。
岬が男子恐怖症を克服していくのを素直に応援しているのが分かる。

時間軸としては、このあとに世界は恋に落ちているの冒頭に戻る。
冒頭ではいきなり要と岬が喧嘩しているが、この時にはすでにお互いの仲が良くなっていて、おそらくちょっとしたすれ違いで喧嘩してしまったのだろう。
喧嘩して岬が泣いて落ち込んでいるところで、つぼみが「要が今度花火大会行くって言ってたから行ってきなよ」といって励ましつつ応援している。

ただ、この時にはつぼみが実は要のことが好きになっていて、うわべでは岬を応援しているものの、内心では要が自分に振り向いて欲しいと思い始めている。

つぼみは悩んだ結果、やっぱりこうしちゃいられないと思って、花火大会に行って要を探し始める。
一方で岬は花火大会で要を見つけて、二人きりで良いムードの中、祭りを楽しんでいた。
つぼみはそれを見て、今まで岬のことを応援していたはずなのに、本心では「うまくいかないで」と思い始めるようになってしまう。
ちなみにこの時の歌詞を見ると、岬の恋が実って、つぼみが報われなかったようなものになっている。
春に咲いた花が恋をした
花は必死に上を向いて笑った青い夏の蕾も恋をした
咲かない花と火薬の匂い
その後、つぼみが岬に、自分も要が好きになってしまったことを伝える。
これで心置きなく二人とも要に対して告白しようという場面になり、要の机の上には「放課後屋上に来てください。」と書かれた手紙が。

そして屋上で待っていた要に対して、岬かつぼみのどちらかが走ってきてネクタイを引っ張って手繰りよせるようキスをする。

ちなみにこの直前に、普通に見ているだけだと気づかないのだが、ほんのコンマ何秒か屋上のドアの後ろで見守っている影がある。

「世界は恋に落ちている」だけを見るとキスをしたのは岬で、つぼみが後ろで見守っていたと見るのが自然になっている。
というのもこのストーリーの主人公は岬だし、先ほど紹介した歌詞を見てもつぼみが報われなかったように暗示されており、「屋上に来て下さい」と書かれた手紙も、ずっと手紙のやり取りをしていた岬が書いたものと見るのが自然だからだ。
しかし、キスをした相手は実際にはつぼみで、岬はドアの後ろで見守っていたことが「恋のコード」のラストで判明する。

これまで一生懸命努力して、男子恐怖症を克服したり、要と喧嘩した後も花火大会にいって仲直りしたりしたにも関わらず報われないという何とも悲しい終わり方になっている。
なぜ岬は報われなかったのか
つぼみが先走ってキスをしたけど、その後はどうなったのかは分からない、という解釈をすることもできるが、ここではつぼみが報われたという前提で考察をしていこう。
一つ仮説として成り立つのは、要は岬のことを友達として見ていたけれど、親密さはつぼみの方が高かったということだ。


恋のコードを見ると、むしろ要がつぼみと自然体で接しているところや、つぼみと要がプライベートでLINEのやり取りをしているところを見て嫉妬している様子が見て取れる。
「世界は恋に落ちている」では、つぼみ視点で岬が良い感じになっていることがフォーカスされていたが、「恋のコード」では岬視点でつぼみが良い感じになっているというように対比されたものになっている。
要は中学から吹奏楽部だったこともあり、つぼみの実家の楽器店に通っているのだが、そこでお互いの連絡先を交換している。
LINEのやり取りを見ると、要は普段の何気ないこともメッセージで送り合っており、むしろ親密だったのは岬よりつぼみだったのではないかという解釈もできる。
ただ最終的にどういう意図だったのか、あるいはそれが実ったのかというのは明かされていない。
HoneyWorksは核心的な部分をぼかして、視聴者の想像を掻き立てるようにしているからだ。
あえて結末を描かないことで、視聴者一人ひとりの中でストーリーを作ってほしいのではないかと思う。
ちなみに自分はやっぱり岬に報われて欲しいと思ってしまう。

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最近知った者です。
動画のアップ順から見てなるほど…と思ったのですが、恋のコードの動画を見直すと、「恋はまだ成らない…」という予兆を感じさせる終わり方となっています。
これは、今から告白をする、と捉えることもできます。
その一方で、キスする瞬間にドアに隠れている人物が映り込みます。正直、こうなってくるとどっちだか映像だけでは判断しかねますね。
というのも、歌詞のストーリーを素直に追っていくと、どうしても黒髪の子と結ばれる結末にはならないからです。
最大の理由は、「花は必死に笑った」が結末ではなく過程であるのに対し、「咲かない花」は文脈として結末であることです。花は咲かなければ実りません。
また、あの強引なキスシーンを黒髪の子がするとは思えない。性格的に、ドアから突進して首根っこは押さえないでしょう。
結論として、作り手がわざと判断不能な矛盾する描写の仕方をしている、と考えるのが妥当と思います。どうやら、成就していない、または成就しない恋を表現することを好む傾向を持っているようですし。
主人公は、一貫して茶髪の子です。
散々な解釈だと、必死にアプローチしたのに最後は親友に譲ってドアの陰で泣く… という終わり方となっています。
ただ、キスしたあと彼女になれたとは限らないので、このあと新しいストーリーが追加されたなら、逆転もあり得る話ではあります。