文系・理系に関わらず受験では誰もが学習することになる英語ですが、その最も根幹にあるのが英単語の暗記作業です。ただでさえ暗記が得意でないのに、英語の暗記なんてコリゴリなんていう人も多いかもしれません。
そこで今回は英単語の暗記法、覚え方について紹介していきたいと思います。学習を始める前に適切な学習方法を知識として取り入れてから、効率良く学習に取り組んでもらえればと思います。
目次
なぜこの記事を書いたのか
まずはじめになぜ単語の暗記について記事を書くことにしたのか説明させて下さい。
私は大学に陸上のスポーツ推薦で入っており、皆さんのように筆記試験を受けておらず、学生時代は陸上一色だったので英語は決して得意ではありませんでした。
英語を本格的に勉強するようになったのは25歳の時からで、その時点での英語力はこれを読んでいる皆さんとは比較にならないほど低かったと思います。
当時どうしても海外で仕事がしたいということで、一時退職して1年ほど猛烈に英語を勉強し、TOEIC満点を取ることができましたが、周囲からは驚かれる一方で、学習法はこれから書くように至って普通のことしかやっていませんでした。
そこから学習の相談を受けることが増えたのですが、英語が思うように伸びないという方はそもそも学習量が足りていなかったり、上手いこと学習しようとして逆効果になっていることが多く見られました。
世の中に出ている学習法は「座学をしなくても英語がグングン伸びる」といった甘い言葉で誘うようなものが多く、真正面から「座学が重要です」というとウケが悪いのかそういった主張はほとんど書かれていません。
そしてこれから紹介するような誤った認識が広がっていることが皆さんの英語力向上を妨げているのではないかと考え、これまでの経験から効率の良い学習法を書くことにしました。普通のことばかりですが、続ければ絶対に効果が出ることを保証しますので、ぜひ最後までお読み下さい。
「英単語の暗記は必要ない」なんてことはない

インターネットで英語の学習法を調べていると、たまに「英語を使えるようになるには英単語の暗記は必要ない」なんて意見を見かけますが、本当にそうでしょうか。
そういった意見を見ると、「日本人は受験で英単語や文法をたくさん覚えているのに、ちっとも英語が使えないのはアウトプットをしてきていないからだ」といった主張であることが多いのですが、まず前提からして間違っています。
実際に「TOEIC L&Rテスト」のデータを見ると、2016年の日本人受験者の平均点は516点で48カ国中41位。その内訳はリスニングが288点(全体42位)、リーディングが228点(全体42位)となっています。
単語や文法知識が問われるリーディングセクションの点数は全体の下位で、さらに点数もリスニングセクションより低くなっています。さらに言うと、TOEIC受験者は日頃から英語学習しているにも関わらずこの状況ですから、そもそも日本人は単語や文法が得意どころか、むしろ苦手なのです。
実際に英語習熟者の人と話しても、「英語学習者はそもそもインプットが絶対的に足りていない」という意見で一致します。全員ではありませんが、英語学習者にはアウトプットを続けていれば英語が使えるようになるという考えがあるようです。
また「英単語を覚えなくても良い説」の中には、ネイティブスピーカーは文法を勉強していないのにペラペラだという論拠もありますが、言語習得能力は幼少期を過ぎると著しく落ちていき、20代を過ぎたあたりからはどれだけ学習してもネイティブに近づくことは難しいことが分かっています。
プロ野球選手がメジャーリーグに挑戦して、長年アメリカに住んでいるのにカタコト止まりなことが多いですが、本当に英語を聞いて、話すだけで身につくのならこの説明はつきません。
実際に留学経験者でも流暢に会話できるようになるのは一部で、「何となく会話の意味がわかる」くらいまでの人が大半です。また留学で英語力が伸びるかどうかは、日本在住時に英語の基礎ができているかどうかで成長度合いが格段に変わるというのはよく知られています。
英単語を始めとしたインプットの作業は地味ですが、ここを頑張れば必ず成果が見違えて上がるので、頑張ってこなしましょう。
なぜ英単語の学習が重要なのか

入試や学校のテストを控えている学生の方は別ですが、社会人の方が再び体系的に英語学習を始める場合、私は英単語の学習を入念にこなしてからリーディングなどの作業に入ることをオススメしています。
英語学習の順序は「インプット→アウトプット」、さらに細かく言うと「英単語・文法→精読→リーディング→リスニング→スピーキング」の順に学習するのが最も効率が良くなります。
それはなぜかというと、英単語を知らなければ文章を理解することができず、一文を理解できなければ長文を読解することはできず、文章を即座に理解できなければリスニングはできず、聞き取れなければ会話することができない、というようにそれぞれが依存関係にあるからです。
そしてその一番の土台となるのが単語を覚えることであり、これができなければ次のステップに進んだとしても学習効率が落ちてしまいます。(入試では推論などのテクニックも求められますが、実際の会話で推論していればとてもついていくことはできません)
もちろん最初からネイティブレベルの単語力を求めるわけではありません。それでも一定以上の単語力があることで、今後の学習ステップをより効率良く進めることができるので、土台作りの重要性を理解してもらえればと思います。
「2000語あれば日常会話ができる」は疑問
ちなみに「英単語の基礎2000語があれば日常会話ができるので、とにかく話すのが大事」と言われることが多いですが、これについてはかなり疑問符がつきます。
確かに2000語があればあの手この手で単語をつなぎ合わせながら文章にすることはできると思います。でも単語を無理につないでいたら言葉にするまでに時間がかかりますし、ニュアンスが正しく伝わらないことも起きるでしょう。
それに英語は同義語が多く、同じ意味の内容をあえて表現を変えて使用することがしばしばあります。例えば「〜したい」を意味する「want」という単語を知っていても「desire」を知らなければ、リスニングの時に「desire」が出てきたら意味が分からずに終わってしまいます。
こうした同義語も抑えるには2000語というのは余りに少なすぎます。もちろん皆さん自身がどこまで語学力を追求するかによりますが、個人的にはあまり「ここまでで良い」というボーダーの引き方は望ましくないと思っています。
そもそも学習を始めたばかりの人がどこまで単語を覚えれば良いのかというボーダーを引くことは難しいので、今やっている単語帳を片っ端から覚えるくらいのスタンスのほうが良いのです。
英単語を覚えるには回数を増やすのが基本
さて新しい英単語を見た時に、何回学習を繰り返す必要があるでしょうか?
これについて私の結論は「最低でも50回、通常ならば100回以上」です。
いやいやそれは多すぎるでしょと思うかもしれませんが、無意識レベルでアウトプットできるようになるには100回くらいは必要なのです。これは英単語帳で20回ほど繰り返し行い、残りは長文やリスニングの中で見かけて、意味を再認識する作業が80回ほどという内訳になります。
一応私もTOEICで満点を獲得していますが、それだけだと説得力に欠けるかもしれません。でも実は英語習熟者の中では割と共通認識だったいりします。
例えばスタディサプリの講師として知られる関先生の講義を見ると次のように話しています。
「単純に回数が足りない。科学的なデータは抜きにして、僕の15年間の経験値だけで言うと1ヶ月で6回は同じ単語に目を通します。3年の中で6回では覚えるわけがないし、かといって1週間に6回というほど暇でもないので、1ヶ月に6回くらいやった単語は定着するであろうと。
皆さんの普通の考え方としてまず誤解があるわけです。単語って2・3回で覚えるんじゃないかと皆が思っている。『大体、単語を覚えられないんですけど』と質問に来る人に聞くと、2回か3回、もしくは4回と。
今まで4回やって覚えられなかったのは、特に中学校の英語は簡単過ぎるというのがあるんです。中学校の単語で「make」というのは勉強してなくても、次の日・来週の授業で出てきて、スパイラルになって常にどこかで触れられるようになっているんです。」
これは大学受験を志望する生徒に向けられた授業ですが、受験で出ないような難解なビジネス英語であればさらに回数を重ねる必要がありますし、社会人になって年齢を重ねれば記憶力も落ちますので、なおさら回数が必要です。
また有名YouTuberのバイリンガールさんの動画に登場した「The Japan Times ST」の高橋編集長によると次のように話しています。
「目だけでなくて耳も活用する、さらに音読すれば口も活用する。目だけで覚えていれば絶対に忘れます。
一つの音声だったら繰り返し聞いたら、大体300回とかそのくらいは聞いてほしいです。300回なんて無理だと思うかもしれませんが、ながら学習で良いんです。通勤の時間だったり、掃除する時間だったり、そういった時間にやれば300回なんて簡単に稼げますから。」
こちらはリスニングの回数とはいえ、なんと300回くらいは聞かないと新しい単語は定着しないと話しています。
ですから「単語帳で20回、長文やリスニングで80回」という私の結論もあながち突飛なものではないと分かって頂けるのではないでしょうか。
もし単語が覚えられなくて悩んでいるという方は多いですが、私の知る限りではほとんどの場合で回数が足りないことが原因です。覚えられないのならこれでもかと繰り返し復習する、結局のところ復習にまさるものはありません。
なぜ日本人は英語を覚えづらいのか

欧州圏では多くの国が英語を母語としませんが、ほとんどの国で第二言語として英語を話せます。それはエリート層だけではなくて、ギャングっぽい人たちですらちゃんと英語でのコミュニケーションができたりします。
対して日本人は高学歴の人でも英語が話せる人は一握りですが、それはなぜでしょうか。
理由は単純で、日本語と英語とでは文字・単語・文法・感性、全てが異なるのに対して、オランダ語やフランス語は英語と近い構造になっているので、オランダ人と日本人とでは習得に必要なコストが段違いなのです。
ドイツというととても経済や教育が発達していますが、実は驚くほど英語が通じない地域でもあります。その理由も日本と同じく、英語とドイツ語では文法構造が大きく異なるのが理由です。
逆に日本人は韓国語を覚えるのは容易で、文法も単語も良く似ている(「知恵」→「チヘ」など)ので、英語よりもずっと少ない努力で習得できます。
つまり日本語を母語としている以上、英単語を覚えるのに苦労するのは残念ながら宿命的な問題なんですね。
英単語は1日に数百個を素早く回すのが基本
さて具体的な学習方法の解説に入ります。
そもそも英単語を学習するにあたって、1日にどれくらいの数の学習をするかということですが、最低200個は学習して下さい。
実際に英語学習者の話を聞くと、1日10個くらいのペースの人も多く、200個と聞くと「多い」という反応をされることが多いですが、これは下限です。中には1日単語帳1冊のペースで進める人もいます。
ではなぜ1日200個なのでしょうか。例えば単語帳はものにもよりますが、大体2000語くらいが収録されていますが、1日200語のペースで進めると10日で1周を終えられます。
覚えた次の日には同じ箇所を復習するとして、「10日で2回」1つの単語を見ることができますが、これを1ヶ月繰り返すと6回同じ単語を覚えることになります。すると先ほど紹介した関先生が目安としていた「1ヶ月で6回」のペースになります。
逆に1日10語だと、1冊を終えるのに200日もかかってしまいますが、200日後に2周目に入ったところでほとんどの単語が記憶から抜けていて、2周目は記憶の定着ではなくて、ほとんど覚え直しの作業になってしまいます。
また記憶作業のトピックになるとよく言及されるものとして、心理学者のエビングハウスが提唱した「忘却曲線」というものがあります。

これは一度学習したものは速やかに忘れ、繰り返し記憶したものは定着しやすいことを示しています。
科学的に「〇〇日に〇〇回学習しなければならない」とまで厳格に行う必要はありませんが、人間は普遍的な性質として繰り返し学習しなければ英単語に限らず記憶を忘れていくものです。
1日200語以上の早いペースで単語帳を素早く回していき、1周終わったらまた先頭から同じように暗記、それが終わったまた先頭から、と何度も同じ単語帳を早いペースでグルグル回して下さい。
一つの単語帳を繰り返す回数の目安は、最低でも5周です。単に数を競うわけではありませんが、熱心にこなしている人となると20周・30周繰り返す人もいます。記憶の定着にはとにかく数が重要になってくるのです。
そして一つの単語は、一度の記憶作業で時間をかけすぎないようにしましょう。どうしても覚えられない単語は必ず出てきますが、一つに5分も10分もかけると回転数が悪くなり、他の単語全体の定着率に影響を及ぼしてしまいます。
目安としては1つの単語あたり30秒~60秒ほどで、これ以上かかるようでしたら気にせず次に進めてしまいましょう。
英単語帳を使って覚える

多くの人は英単語を覚える時に英単語帳を使うと思いますが、中には「長文の中で単語を覚えた方が良い」という意見の人もいますが、単語帳は使うべきなのでしょうか。
結論から言うと長文で単語を覚えて良いことはほとんどなく、単語帳で覚えるのがベストです。
仮に長文で覚えるとすると、リーディングをしながら分からなかった単語はノートにまとめたり、解説書にマークを引いて覚えることになりますが、ここでいくつか問題点が出てきます。
まずテキストが何冊にもまたがった場合、単語を確認するために何冊もの解説書をめくりながら覚えることになりますが、その手間自体が無駄ですし、持ち運ぶこともできません。
また長文に出てくる単語は、必ずしもメインの意味で使われているわけではなく、「普段こんな使い方しないよ」という形で掲載されることもあります。でも長文で覚えるというスタンスを取っていると、その意味しか認識しないので、本来覚えるべき意味を逃してしまいます。
そして何より必修単語が長文に掲載されている保証はどこにもなく、本来単語帳をやっていれば知り得た単語を漏れながら覚えることになります。
他にも発音記号が分からなかったり、派生単語を覚える機会を逃したりとデメリットが多く、それなら始めから素直に英単語帳を使っておきましょう。
「DUO」のようなベストセラーになっている英単語帳はとても質が高くまとまっていますし、プロの編集者が改訂を経て完成させたものなので、付け焼き刃に長文から単語を拾って覚えるよりも、英単語帳を信頼するのが吉です。
覚えなくて良い単語は基本的にはない
単語帳を進めていると、「これって本当に覚える必要あるのかな?」と感じることがありますが、上級者向けの単語帳でよほどマニアックなものでなければ、基本的に全て覚えた方が良いです。
先ほども言ったように単語帳はランダムに収録されているわけではなく、プロの編集者が必要なものを厳選して掲載しているので、無駄なものはないはずです。
もちろん記憶作業の中で定着しない単語はいくつか出てくるとは思いますが、始めから覚えなくても良いやというスタンスでは臨まないようにしましょう。
書いて覚えず音読で覚える
英単語は見て覚えるのか、書いて覚えるのか、音読して覚えるのか…。
色々な派閥に分かれていて、学生時代は書いて覚える派だった私ですが、現在の結論としては「音読して覚える」のが間違いなく良いといえます。
理由としては2つあります。
まず消去法的に考えると、見て覚えるだけでは記憶の定着としては弱いですし、書くのは時間がかかりすぎます。例えば「understand」という文字を書いたら3秒ほどかかりますが、音読すれば3秒で5回ほど言えるので、回転率が早くそれでいて定着もしやすいです。
先ほども説明したように単語は1日に数百個以上をたくさん回転させるのが重要なので、音読がそれに適っています。
そして第2の理由として、発音も一緒に覚えられることが大きなメリットになります。
単語帳には発音記号が書かれているので、慣れてくればCDを聞かなくても正しい発音が分かりますし、自分の声を聞くことでリスニングにも生きてきます。
以上の理由から単語を覚えるのは音読がベストだと考えています。難点としてはスペリングを覚えづらいことですが、それについてはデメリットとして認めながらも、それを上回るメリットがあるという認識です。(私はライティングでスペルの学習を兼ねていました)
学習方法に奇をてらう必要はない

ここまでの内容をまとめると、「英単語を1日に200個以上のペースで、1月に6回以上を繰り返しつつ、音読して覚える」ということになります。とてもシンプルです。
他の方の単語学習法を見ると、「単語カードを作るべき」「単語を暗記するのではなくイメージで覚える」といった意見が見られますが、正直に言って私はこれらの学習法はかなり疑問です。
うがった見方かもしれませんが、「何か良いアイデアを提案しているように見えて、本当にその学習法をやっているのか疑問」とすら感じてしまいます。
まず単語カードについてですが、作る必要はないと考えています。皆さんの周りにも単語カードを作っている人を見たことがあると思いますが、その単語カードを何ヶ月先にも継続して使っている人はいたでしょうか?
もちろん中には作ったカードをちゃんと使ってるよという人もいるとは思いますが、カードを作っただけで復習されないケースがほとんどなので単純に時間がもったいないです。
それに一度覚えたと思った単語でも時間を置いて忘れることもありますから、単語帳は1周するたびに、覚えた単語でももう一度目を通した方が良いです。
そして「暗記ではなくイメージで覚えろ」ということも良く聞きますが、その人は本当にイメージして覚えたのでしょうか?
「immediately」という単語を覚える時に、果たして人間が慌てている状況を想像して覚えた人はどれだけいるのでしょうか。単語帳の例文を読んで、その文脈の中で覚えるくらいで十分でしょう。また一つの単語に複数の意味がある場合、その数の分だけイメージするのは単純に不可能だと思います。
例えば「ナイーブ」という言葉はカタカナで覚えている人も多いと思いますが、ナイーブという言葉を覚えるのは繊細なイメージがあるからではなく、単純に「ナイーブ」という言葉を日常の文脈のなかでたくさん聞いてるうちに覚えているだけです。
カタカナ英語が浸透しているのは単純にそれを多く聞いているからという以外の理由はなく、要は数を重ねれば覚えられるものに、無理やりイメージをつけるという作業はかえって負担ですし、仮に1万語覚える時に1万のイメージをつけるというのは現実的ではありません。
もちろん補助的に、どうしても覚えられない単語についてイラストをつけたりする作業は効果的です。でも全ての単語をイメージして覚える必要はなく、基本的には暗記をして、記憶がなかなか定着しないものだけイメージするのがオススメです。
オススメの単語帳を紹介
ここまでで単語の覚え方の理論的な説明は終わりとなります。
最後にどの単語帳を使えば良いのかについて紹介していきますが、単語帳は当然のことながらレベル別になっており、ご自身の単語力に合ったものを選んで下さい。
なお下で紹介する「DUO」レベルまでは全員が必修ですが、英検1級レベルとなると人によって必要かどうかは分かれます。上級者はご自身の目的に沿ったものを選んでみてください。
ちなみにCDは「1冊の単語帳を何周も繰り返し行う場合」は必ず購入するようにして下さい。発音記号があるとはいえ、誤った発音で覚えることを防げますし、通勤・通学中など空き時間に繰り返し聞くことが定着につながるからです。
CDは本よりもやや高くて節約したくなる気持ちも分かりますが、単語帳はそう何冊も買うものではないので、できれば節約しないで欲しいところです。
英語力にまだ自信がない方へ
高校生でこれから地力を高めている方、社会人で英語からすっかり離れて自信がない方はこの単語帳から始めると良いでしょう。受験で言えばセンター試験レベルの単語になります。
通信教育でおなじみのZ会が作成している英単語帳で、入試問題を分析して頻出単語を1900語、さらに関連・派生単語を含めた3100語が網羅的に入っています。
これだけ覚えれば十分というわけではないですが、中学英語の確認も掲載されていますし、基礎固めとしては最適の一冊だと思います。
万人にオススメの言わずとしれたベストセラー
私がこれまで出会った本の中で一番効果があったのがこの「DUO 3.0」です。
大学受験で言えばMARCH・早慶以上、TOEICでは650点以上レベルとなり、このDUOの暗記を全て完璧に覚えていれば、日本人学習者としては平均以上の単語力を得ることができます。
20年近くに渡ってベストセラーとして愛されていて、平成が終わろうとする今なお最も重宝されている単語帳です。受験英語から日常英会話まで必要な単語・熟語が2560語収録され、例文の質もとても高いので、改めて読み直しても感動するほどのクオリティの一冊です。
DUO 3.0の単語をマスターすることが英語上級者への道のりといっても過言ではありませんので、CDと合わせてぜひ購入して下さい。
TOEIC高得点を目指す人向け
TOEICの点数を上げたい人は問答無用で購入しましょう。逆に買わない手はありません。
銀のフレーズはTOEIC 600点以下の方、金のフレーズはTOEIC受験者全員が対象です。
なぜTOEIC受験者は全員購入したほうが良いのかというと、TOEICで出る単語はかなり傾向があって、「日よけ」を意味する「patio」や、「小冊子」を意味する「brochure」など本当にそれ普段使うのか?というような単語がこれでもかと出てくるからです。
TOEICマスターであるTEX加藤さんが、そういった「TOEIC単語」が1000語にコンパクトにまとめた本で、合間にTOEICあるある(「TOEICの世界にはブラック企業は存在しない」など)をぶっ込んできて楽しみながら学習できます。
改めてになりますが、TOEICで高得点を取りたいのなら絶対に購入しましょう。
英検1級を目指す人向け
おそらく英検1級の単語が主要な試験の中で最も難しいと思います。英検1級よりもTOEIC満点を取る方が難しいかもしれませんが、出てくる単語の難易度はTOEICの比ではありません。
英検は中高生でも受けるメジャーな試験ゆえに、「英検1級<TOEIC満点」というイメージを持たれがちですが、英検1級と準1級の間には大きな差があり、1級レベルの語彙力を身につけるのは専門の単語帳なくして不可能でしょう。
またTOEICと違って英検にはライティングがあるので、アウトプットの学習もこなしておかなければなりません。「でる順」は受験者が多く使っている単語帳なので、英検1級を目指す人は必ず購入しておきましょう。
英単語はあくまで入り口、楽しみながらこなそう

この長い記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます。最後までたどり着いた皆さんの学習意欲は必ずや高いことでしょう。
学生時代にロクに勉強をせずに陸上に明け暮れ、社会人になってから英語を勉強し始めた私ですらTOEIC満点を取ることができたのですから、真面目に勉強してきた皆さんの方がもっと明るい未来が待っているはずです。
英単語の暗記は地味で辛いかもしれませんが、それゆえほとんどの人があの手この手で回避しようとしたあげく、地道な努力を続けられません。だからこそ「普通の努力」が周りの学習者と差をつける切り札になります
そして当たり前ですが、英単語は英語学習のほんの始まりにしか過ぎません。これから英語を使って世界に羽ばたくというビジョンを持ってワクワクしながら勉強して頂ければと思います。