ヤクルトが獲得したオーレンドルフとは?超高学歴投手で、メジャー30勝右腕。

どうも、ゴトーだ。

f:id:hogehoge223:20170208081817j:plain

俺は三度の飯より、野球が好きでな。
今オフの補強についてもいつも楽しみにしている。

さて今回紹介するロス・オーレンドルフは、もともと中日や巨人が獲得調査していたが、最終的にヤクルトに入団が決まった投手だ。
東大よりもずっとランクが高い大学を卒業した超高学歴投手でもある。

ロス・オーレンドルフとは

f:id:hogehoge223:20161211083054j:plain

ロス・オーレンドルフは2017年からヤクルトスワローズに入団する、元シンシナティ・レッズ所属の投手だ。主な実績としてはメジャーで80試合に登板して30勝をあげている。

フリーエージェントになっているところを、日本の球団が獲得調査しており、最終的にヤクルトに入団することになった。
もとは中日が最有力と言われていたが、飛ばしだったのか競争でヤクルトが勝ったのかは定かではない。

これまでダイヤモンドバックス、ヤンキース、パイレーツ、レッドソックス、パドレス、ナショナルズ、レンジャーズ、レッズと慌ただしく球団を渡り歩いてきた、さすらいのピッチャーでもある。

生年月日 1982年8月8日 (才)
身長 193センチ
体重 109キロ
ポジション 投手

ゴトー’s Eye

後ほど紹介するように、オーレンドルフは超高学歴の投手だ。
実力よりも学歴に目が行ってしまうし、日本の野球にどのように馴染むのかが気になる。

賢さ ★★★★★
実力 ★★☆☆☆
期待度 ★★★☆☆

オーレンドルフの経歴

アマチュア時代

オーレンドルフのアマチュア時代を知っている日本人はほとんどいないはずなので、アメリカ版のWikipediaを翻訳してみた。↓

オーレンドルフはテキサス州オースティンに生まれました。彼の家族はテキサスにロングホーンの牧場を経営しており、オーレンドルフもそれを手伝っています。
オースティンのセント・スティーブンス監督高等学校を2001年に卒業し、バスケットボールと野球の二つの競技に取り組んでいました。

大学ではプリンストン大学で経営工学や財政学を専攻。それと同時にプリンストンタイガースという大学のチームでもプレーしていました。2002年にはアイビーリーグの新人王を獲得。アイビーリーグの2部の3位で、防御率は3.02、成績は6勝2敗となっています。
140ページにも渡る論文も書いていて、それは1989年から1993年にかけてのメジャーリーグのルール5ドラフトの金銭的成功から、将来への投資について考察したものです。

オーレンドルフは2006年にプリンストン大学から学位を取得しましたが、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのファームのシステムについても研究しています。彼は大学スポーツでの高いパフォーマンスと研究分野による高い学術成果を両立させたとして、大学からジョージミューラー賞を受賞しました。
論文では、メジャーリーグのドラフトからの投手収益率を実証するためのサイバーメロリクスを使用しています。

ちなみにプリンストン大学というのは世界での有数の名門大学で、「世界大学ランキング」のようなものを見ると大体10位以内に入っている。
アメリカの調査ではハーバード大学と同率とか、それを抜いて1位になったこともあるんだとか。

東大は世界で35番目くらいなので、オーレンドルフは東大卒投手よりも凄い学歴ということになる。
もちろんスポーツ推薦ではなく、上に書いたように学術成績も優秀で大学から表彰されたこともある。

まさに文武両道のとてつもない投手だ。

プロ時代

2004年にダイヤモンドバックスと契約してプロ入り。
2006年には3Aに昇格し、オフにテキサス大学財務部のインターンシップに参加している。

2007年にランディ・ジョンソンとのトレードで、オーレンドルフ他3人とセットでヤンキースに移籍。
その年の9月にメジャー昇格し、この年は6試合に登板。

2008年にパイレーツに移籍。
2009年がキャリアハイの成績で11勝10敗をあげてキャリア唯一の二桁勝利。
メジャー史上40人目の「9球で打者3人を3三振に抑える」ことを達成し、オフに農務省のインターンシップに8週間参加している。

翌年は1勝11敗という悲惨な成績でもあり、打球が頭部に直撃するなど散々な年となる。

2011年もシーズン1勝に留まると、放出されて、レッドソックスに移籍。
それ以降は登板機会も減り、毎年のように所属球団が入れ替わり続けている。

2015年から出場機会を増やしていて、その年は21試合に登板して3勝1敗7ホールド、防御率3.72となかなかの成績。

2016年にはキャリア最多登板となる64試合に登板して、5勝7敗2セーブ3ホールドをあげている。

選手としての特徴

オーレンドルフはシンキング・ファストボール(シンカー方向に曲がるツーシーム)を良く投げる投手で、89マイル(143キロ)~92マイル(148キロ)ほど。
変化球はスライダーやチェンジアップを使い、80マイル前半くらいの速度とのこと。

2013年と2014年は怪我で離脱しており、年齢とともにコンディションを整えるのが難しくなっているのかもしれない。
ただし2016年はフルに稼働している。

ワインドアップ投法が特徴的で、これは実際に動画を見てもらったほうが早いかもしれない。
ボールを握るまでグローブと手を離していて、セットする時に初めてボールを握るというフォームになっていて面白い。

その他の経歴

弟のチャド・オーレンドルフもプリンストン大学に在学中で、同じく投手として野球をしているらしい。
一家揃って学業も野球もエリートってのは凄すぎるぜ。

野球以外の活動も積極的で、2006年にはテキサス大学財務部のインターンシップに、2009年には農務省へ8週間のインターンシップに参加している。
脳筋揃いのアメリカンアスリートとしては稀有な、セカンドキャリアが約束された選手だろう。

2010年には「Sporting News」というメディアによる「最も賢いアスリート」で3位に選ばれたことも。
これはメジャー投手のクレイグ・ブレスロウ、アメフトのミーロン・ローレに次ぐ順位らしい。(この二人がどんな経歴をしているのかも気になる)

メジャーでの成績

年度 球団 登板 勝利 敗戦 セーブ ホールド 防御率
2007 ヤンキース 6 0 0 0 1 2.84
2008 ヤンキース 30 1 4 0 4 6.46
2009 パイレーツ 29 11 10 0 0 3.92
2010 パイレーツ 21 1 11 0 0 4.02
2011 パイレーツ 9 1 3 0 0 8.15
2012 パドレス 13 4 4 0 0 7.77
2013 ナショナルズ 16 4 1 0 1 3.28
2015 レンジャーズ 21 3 1 1 7 3.72
2016 レッズ 64 5 7 2 3 4.66
通算 209 30 41 3 16 4.82

2009年に二桁勝利をあげたのは素晴らしいが、2011年、2012年は悲惨な防御率になっている。
2013年以降はそれなりに安定しており、2015年からは中継ぎに転向した。

2016年には自己最多の64試合に登板しており、元メジャー選手としてはまだ鮮度がある方と言えるだろう。

ヤクルト入団までの経緯

もともとオーレンドルフの名前は12月8日時点で巨人が獲得に動いており、その後12月11日に中日も獲得に乗り出していることがわかった。
その後、巨人がアルキメデス・カミネロ(164キロ投げる凄い投手)を獲得したから、中日になるかと思いきや、12月23日時点でヤクルトが獲得すると報道されている。

ちなみに中日は過去にタイロン・ウッズの代理人と揉めて、MLBの代理人に「中日とは契約するな」と言い広められたことで、メジャーから出禁になっているという話もあって、それが影響したのかもしれない。

オーレンドルフはメジャーでは平凡な投手ではあるが、昨年までメジャーでしっかりと登板機会を確保しているだけに日本でもそれなりに成績は期待出来るんじゃないかと思う。

もともと先発だったのが、2015年から中継ぎに転向していて、それなりに成功しているが、ヤクルトが先発と中継ぎどちらで使うのかは分かっていない。
報道によると先発が手薄だから、先発として使いたいと書かれていたが。

ちなみに今年楽天に入団するフランク・ハーマンという選手はハーバード大学出身の投手なので、NPBが一気に高学歴化することになる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です