VPSって何?という人に日本一分かりやすく解説。レンタルサーバー、クラウドとの違いも紹介。

新しく開発したプログラムや、自分用のWordPressなどを動かしたいという時にVPSを利用するのがオススメです。

でも中には「VPSって聞いたことあるけど良く分からない」という人もいるかと思います。

そこでこの記事ではVPSについて日本一分かりやすい解説をモットーに、レンタルサーバーやクラウドとの比較を交えながら説明していきます。

なぜVPSを利用する必要があるのか

まず、そもそもなぜVPSを利用する必要があるのか、例を取りながら見てみましょう。

山田さんの一攫千金物語

ある日、山田さん(仮名)がこれまでにない画期的なプログラムの開発に成功しました。そして、画期的なプログラムを搭載したウェブサイトを制作し、インターネットで公開することになりました。

でも開発したプログラムは山田さん個人のPCにあるだけなので、そのウェブサイトを他の人がアクセスすることはできません。

そこで山田さんは「http://yamada.co.jp」というドメインを取得し、そのURLを入力するだけで誰でも簡単にアクセスできるようにしました。

このウェブサイトを動かすべく、山田さんには4つの選択肢を思いつきました。それぞれ選ぶとどのような結果になるでしょうか。

  1. ウェブサイトを自宅サーバーで公開する
  2. ウェブサイトをレンタルサーバーで公開する
  3. ウェブサイトをクラウドで公開する
  4. ウェブサイトをVPSで公開する

例1) もしも自宅サーバーで公開していたら

山田さんはウェブサイトを自宅サーバーで公開することにしました。

すると世界中から一気にアクセスが来たため、自分のノートPCでは処理が追いつかずにページが表示されるまで5分もかかってしまい、ユーザーはカンカンです。

またマンションで使っていた回線もパンクしてしまい、他の居住者はネットが使えずに回線会社に苦情が殺到し、原因を特定した回線会社から二度と利用しないでほしいと言われてしまいました。

もしも自宅サーバーではなく、サーバーを借りていればこんなことにならなかったはずです。山田さんは一世一代のチャンスを逃し、一人悲しく涙しました。

結果…ユーザーも回線会社も、居住者も怒らせただけでした

例2) もしもレンタルサーバーを利用していたら

この世界線の山田さんは自宅サーバーのリスクを知っていたものの、サーバー代をケチり、月額500円のレンタルサーバーでウェブサイトを公開しようとしました。

しかしレンタルサーバーは自分で動作環境をカスタマイズできず、山田さんのプログラムを全て動かすことができず、サーバーの要件に合わせて機能を削りました。

機能を削って公開したところ、ユーザーは「なんだこのしょぼいサイトは」と幻滅し、二度と戻ってくることはありませんでした。

もしもサーバー代をケチらずに、もっと機能性の高いクラウドやVPSを利用していればユーザーが離れることはなかったかもしれません。

結果…しょぼいサイトになり、何の成果も挙げられませんでした

例3) もしもクラウドサービスを利用していたら

こちらの世界線では、サーバー代を払うことに糸目をつけず、とにかく機能性を追求しました。

今流行りのAWSを使って、月額1000万円するサーバーを何台も使い、絶対に落ちない頑丈なインフラを作り、ウェブサイトを公開しました。

ウェブサイトを公開すると予想通り、世界中からアクセスが殺到し、AWSのサーバーをふんだんに使っているので表示が遅くなったり、回線はパンクしません。

「いける…いけるぞ…!」と思ったのも束の間、月に1億円のサーバー維持費がかかるので山田さんの貯金はあっという間に底をつき、泣く泣くサービス終了することになりました。

ただ高機能であることを追求してもビジネスが成り立たなければ意味がなかったのです。

結果…あと一歩のところで破産してしまいました

例4) もしもVPSを利用していたら

山田さんはサーバーが高機能であることと同時に、安価できなければビジネスにならないことを知っていたので、機能が高く、料金が安いVPSを使ってウェブサイトを公開しました。

クラウドの時ほどサーバーが盤石ではなかったので、たまに表示が遅くなることはありましたが、それでも許容範囲だったので、ユーザーが離れることはありません。

また維持費はクラウドのときよりも随分安かったので、広告収入を得ながらサーバー代を支払うことができ、サービス開始から1年が経過しました。

世界的企業のゴッゴル社が50億ドルで買収したいと名乗りを上げ、山田さんはこれを快諾します。

そのお金を使って立ち上げた投資ファンドは大成功。また慈善事業にも尽くしたので、世界のYAMADAとして歴史に名を残すことになりました。

結果…大成功

VPSの仕組みと特徴

「なわけねぇだろ!」とツッコミたくなる話でしたが、レンタルサーバーやクラウドと比較しながらVPSの特徴を捉えてはいます。

そもそもVPSとは「Virtual Private Server」=「仮想専用サーバー」の頭文字を取った用語で、一台のサーバーに複数の仮想コンピュータを立ち上げて、ユーザーがその仮想コンピュータを利用する形態のことを指します。

仮想コンピュータとはなんぞや?と思うかもしれません。

皆さんのパソコンにはブラウザだったりOfficeだったり、様々なアプリケーションが入っていますが、仮想コンピュータはその一つのアプリケーションとして新たなコンピューターを立ち上げることができるのです。

しかも仮想コンピュータはアプリケーションなので、一台のWindowsマシンから、Linux、Windows、Macの仮想マシンを同時に立ち上げることだってできます。

VPSはこの仮想コンピュータを月額いくらという内容でユーザーに貸し出す形態なのです。

仮想コンピュータは通常のコンピューターと変わりはない

仮想コンピュータは所詮一つのアプリケーションでしょ、と思われるかもしれませんが、通常のコンピューターと全く同じように動作します。

強いて言えば動作性能は少しだけ落ちますが、目に見えてガクッと落ちるわけではなく、傍から見ればそれが仮想なのかどうかは全く見分けがつきません。

ですからVPSは専用のサーバーをまるまる貸し切っているのと同じように利用することができます。

ちなみに「専用サーバー」といってサーバー自体をまるまる貸し切ることができますがこれは安くても月額5万円〜となかなか手を出せないような価格です。

しかしVPSは一つのサーバーに何台も共存している仮想コンピュータを借りるので、その何十倍も安い値段で利用可能で、安ければ月額800円ほどから始められます。

ちなみに仮想コンピュータが他の利用者と一緒に親マシンを共有していますが、コンピュータのリソースはそれぞれ完全に区切られているので、他の仮想コンピュータの影響を受けて、こちらの動作が重くなったりすることは基本的にありません。

安いだけならばレンタルサーバーの方が上回っていますが、レンタルサーバーは提供する企業が設定した動作環境をユーザーが変更することができません。

そのため先ほどの山田さんのように、高機能なプログラムを作ってもそれを動かすことができなくなっていまします。

でもVPSなら自分で一から動作環境を作れるので、サーバーに合わせて機能を削る必要もありません。

つまりVPSはレンタルサーバーよりも高機能で、なおかつ専用サーバーより何十倍も安い料金で使える、良いところ取りのサービスなのです。車で言えばハイブリッドカーといったところですね。

クラウドとVPSの違い

VPSとよく似たサービスとして「クラウドコンピューティング」というものがあります。

有名所としてはAWS(Amazon Web Services)があり、これはAmazonが提供するクラウドサービスで、世界中の有名なサービスがこのAWSを利用しています。

(※余談ですが、Amazonは本体のEC事業よりも、このAWSでの利益の方が何十倍も多くなっています)

VPSもクラウドも「仮想コンピュータを一つのサーバーに共存させる」という基本的なコンセプトは同じで、実は両者の違いに明確な定義はありません。

一般的にはクラウドは、一度借りた仮想コンピュータの性能を後から自由に変更できたり、サーバーに負荷がかかったら自動的にサーバーを増やして負荷を分散するといった高度な機能が提供されていることがVPSとの違いとされています。

ただし最近ではVPSにも同様の機能が出始めているので、「一体VPSとクラウドは何が違うんだ」という決定的な違いはありません。

昔ながらのVPSは、単に仮想コンピュータを借りられるだけなので「いかにもなVPS」ですが、ConoHaなどの現代的なVPSはもはやクラウドと見分けがつきません。

「何となくVPSっぽい or 何となくクラウドっぽい」という共通感覚はあるものの、実は明確な定義はないというのがミソかもしれません。

機能的には似ているVPSとクラウドですが、値段はVPSの方が約半額くらいの安価となっています。

クラウドは機能が豊富で開発がしやすく、突発的にアクセスが増えたりしても対応できるのですが、その代わり値段が高くなっているイメージですね。

ここまでのまとめ

さて、ここまでの内容を他のサービスと比較しながら簡単にまとめてみました。

  • レンタルサーバーの方が安いが、VPSの方が自由度が効く
  • 専用サーバーの方がサーバーリソースをふんだんに使えるが、VPSは何十倍も安い
  • クラウドの方が高機能だが、ほぼ同じことができるVPSの方が二倍くらい安い

つまりVPSは悪く言えば中途半端、良く言えば全ての良いところ取りでもあります。

個人で開発したアプリケーションだったり、法人でも世界に広く打ち出すようなものでなければVPSが一番ちょうど良いバランスになります。

「バランスの良い山本選手」(※グラップラー刃牙)ならぬ「バランスの良いVPS」と覚えておきましょう。

オススメのレンタルサーバー

それでは最後に私がオススメするレンタルサーバーをいくつか紹介します。

選び方についてですが、VPSはレンタルサーバーと比べて事業者の競争が少なく、イケてるサービスは限定的です。

“単に仮想コンピュータを提供している”サービスはたくさんあるのですが、クラウドが隆盛してきたことで、それに対抗して現代的にアップデートしたところと、アップデートせずに旧態依然のままとなっているところに二分されます。

「現代的にアップデート」とは具体的には、一度契約した仮想コンピュータの性能を自由に切り替えられたり、複数のサーバーを連動させて負荷分散したり、構築した環境を保存して後から使い回せるように、といったクラウド的な機能を持っているかどうかを指します。

オススメNo.1はダントツで「ConoHa」

二次元美少女キャラクター「美雲このは」ちゃんを全面に押し出し、美少女アニメが苦手な人を寄せ付けない大胆なブランド戦略を取っているConoHaですが、機能性は頭一つ二つ抜きん出ています。

通常のVPSは月額制ですが、ConoHaは時間単位に切り替えることができたり、複数のサーバーに負荷を分散するロードバランサーが使えたり、プライベートネットワークを構築してサーバー間で高速に通信したりと、他のVPSにはない機能がこれでもかと用意されています。

クラウドに全く引けを取らない機能を提供している唯一のVPSですが、値段はAWSの2倍~5倍ほど安く、コストパフォーマンスは最強です。

サーバー環境を設定する知識がなくても、WordPressやRuby on Rails、マインクラフトサーバーまでウェブサイトをポチポチクリックするだけで作れてしまうお手軽さもあります。

初回料金もなく、登録時に1000円分のクーポンも貰えるので、間違いなく最高のVPSサービスと言えるでしょう。

ちなみに私は美少女アニメは苦手な方ですが、美雲このはちゃんはとても好きです。

主要なサービスを比較した一覧はこちら

ConoHaの他にもVPS事業者はたくさんありますので、主要サービスを比較したページを作成しました。

「VPS 比較」「VPS オススメ」といった検索ワードで2年に渡って1位をキープするなど好評のまとめページなので、他の選択肢を知りたい方はぜひご一読下さい。

VPS比較 – おすすめのサービスとVPSとは何かについても説明。

VPSがあるので新規サービスも簡単に始められる

VPSの紹介についてはここまでとなります。

もともとVPSが登場するまでは、サーバーの環境を自由にカスタマイズするには、自社で物理サーバーを建てたり、お高〜い専用サーバーを借りるしかなかったのですが、VPSによって月額1000円から自由にサーバーを使えるようになりました。

もしもVPSがなければ、今日のように魅力的なサービスが世界で生まれることはなかったかもしれません。

すっかり忘れているかもしれませんが、冒頭で登場した山田くんのように、皆さんも魅了的なサービスを作ったあかつきには、VPSを使って安価で公開すると良いでしょう。