新生K-1とは何か。K-1初代フェザー級世界トーナメントの感想も合わせて紹介。

どうも、ゴトーだ。

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俺は三度の飯よりK-1が好きでな。
1997年のK-1グランプリを初めてみた時に格闘技にハマって、それから下火になってからも格闘技は見続けている。
もちろんUFCやBellatorもチェックしているからいつか総合格闘技についても書く予定だ。

今回は少しタイミングを逃してしまったのだが、11月5日に行われた新生K-1の初代フェザー級王者決定トーナメントの感想や考察をしていく。
そして、そもそも新生K-1って何よ?という人もいると思うので、新生K-1と旧K-1の違いについても説明するのでぜひ読んで欲しい。

そもそも新生K-1とは?

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K-1という名前は皆さん聞いたことがある人が多いと思う。
分かりやすい例で言うと魔娑斗とかバダ・ハリとかピーター・アーツが出ていた格闘技のことだ。

どんな競技かというと、キックボクシングがベースになっていて、パンチ・キック・膝での攻撃が許されている。キックボクシングやムエタイと異なる点としては組んでからの攻撃や肘打ちが許されていないことだな。

1993年に日本で誕生して以来、フジテレビやTBSのような地上波のテレビ局と組んでマスに訴えかけることでこれまで格闘技を見なかった幅広い世代から支持を得て、テレビ放映はほぼもれなく高視聴率を記録していた。
ただそれも長い目で見ればブームに過ぎなくて、大衆に飽きられ始めるとみるみる経営難に陥り、運営会社が破産したことで人々の知るK-1はひっそりと終了した。これの一連の流れが「旧K-1」と現在では呼ばれている。

そして今行われているK-1はそれと対比して「新生K-1」と表現されることが多い。
でも傍から見たらK-1はK-1だし、新旧でなにが違うんや!と思うだろう。プロ野球が潰れたら新生プロ野球が誕生するとか意味わからんからな。

ではなぜK-1がそうやって区別されるかというと、K-1というのは実は商標であって、K-1という名が実態を表すものではないんだ。
旧K-1はFEGという谷川貞治が代表を務めていた会社が”K-1という冠の大会を開催する権利”を与えられてK-1を運営しており、現在のK-1はグッドクルーザーという会社がK-1の商標を使って興行を開催している。

ちなみにこの商標権を持っているのは香港に登記している「K-1 Global Holdings Limited」という会社だ。

つまり何が言いたいのかというと、人々が直に触れているK-1の実態というのは運営団体による興行であって、「K-1」という名前ではないということだ。
だから運営主体が変われば、中身もまるで違うからK-1はK-1でも「新生K-1」と呼ばれるわけだ。

新生K-1の特徴

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ではこの新しくなったK-1がこれまでとどのように異なるのかについて触れていきたい。

先程話したように、旧K-1は地上波テレビに乗せてマスに向けて展開していたのに対して、新生K-1は放映媒体は主に録画映像をYouTube、生中継をAbemaTVで行っている。
これまでのように地上波でドカンとやっているわけではないから一般の人には知られていないが、AbemaTVからはかなりプッシュされていて、全番組でもトップレベルの視聴者数を誇っている。特徴的なのがティーネージャーに男女問わず受けていることだ。
旧K-1も若い世代に受けていたが、新生K-1はそれよりも低い世代をAbemaTVでターゲットにしていて、会場に来る客層もさらに若く、女性比率が高まっている。

また競技としての取り組みも全国でアマチュア大会を開催したり、階級を細かく刻んで、競技自体の土壌を耕すこともしている。
旧K-1は金に物を言わせて世界中から優秀な選手を集めてくるものの、アマチュア育成にはほとんど無頓着だったのとは違っている。

ここまではポジティブな要素だが、ネガティブな要素としてこれまでのような「世界最強」というコンセプトはほとんど失われている。
まあK-1は表向き世界最強と謳っているが、旧K-1のようなビッグマネーをやりくりする団体ではなくて、もう少しミニマムにやっているから、選手もほとんど日本人選手で、強豪外国人選手は資金的な問題から連れてこれないのが現状だ。

70kg級の世界王者であるマラット・グレゴリアンなどはおそらく金銭的な事情で、王者になってから一度も試合に出場していないし、トップレベルの外国人を呼べないから世界トーナメントなのに上位4人が全員日本人、みたいなことも起きてしまっている。

要はこれまでのように選手も金遣いもド派手ではないけど、地に足つけてそれなりに人気を得ているというのが実情だろうな。

K-1フェザー級トーナメント

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さて随分と前置きが長くなってしまったが、K-1フェザー級トーナメントの感想を書いていきたい。
フェザー級といっても普通の人にはピンとこないが、57.5kg級だ。軽いと感じるかもしれないが、減量しているので通常は65kgくらいだから、まあ成人男性の平均的な体格だろう。

K-1は今年に入って階級を細かく刻んで、2.5kgおきに階級が設定されている。
これまで55kg→60kgという順だったのが、その間の57.5kgが新設されていて、11月3日のトーナメントが「初代世界王座決定トーナメント」と銘打れて開催された。

まあぶっちゃけ選手層がもともと厚くないのにさらに刻んでしまったから、有力選手は数えるほどしかいなくなってしまったので、ここでは二人だけ有力選手を紹介する。
それは武尊(たける)と小澤 海斗だ。

因縁の二人

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武尊はK-1のカリスマと呼ばれていて、昔で言う魔娑斗みたいな存在だ。
名実ともに最も充実していて、武尊のためだけに見に来る客も多い。

もともと55kg級の世界王者で、減量もキツかったということで57.5kgのフェザー級に移行して2階級制覇を目指していた。

戦い方としてはどんどん距離を詰めて真っ向勝負で相手の体力をガツガツ削っていく好戦的なスタイルだ。
畳み掛ける時にはパンチ・キックが矢継ぎ早に飛んできて、一発一発が全てKOできる威力があるので、KO率が非常に高いのも魅力的。

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小澤海斗は武尊のライバル的存在で、Krushという団体の王者だ。
KrushというのはミニK-1みたいな団体で、武尊もKrush王者から成り上がっている。

小澤はあまりK-1ファンには知られていなかったのだが、乱闘騒ぎを何度も起こしたことで有名になった。
結構胡散臭い乱闘だが、まあプロレスみたいで面白いと思うので動画を貼っておく。

https://www.youtube.com/watch?v=XvEFqpUfY2k

小芝居してるのがミエミエだけど、小澤も実力はあって、6月の大会では武尊を過去最も追い詰めたといってもいいくらいに善戦していた。
小澤も好戦的に見えるが、実はファイトスタイルはステップワークで相手の攻撃を外しながら、得意の右フックと、左の蹴りで攻勢に出るテクニシャンタイプだ。

トーナメントの組み合わせも狙ったように武尊と小澤が別ブロックにいて、決勝で再戦になれば盛り上がるだろうと予想されていた。

決勝で再戦が実現

そんで、まあ決勝まで話を飛ばせてもらう。
何というか…まあ武尊vs小澤の再戦になったわけだ。

ここで飛ぶんかい、というのはぶっちゃ書いてる俺も思うんだが、小澤海斗と試合したちょっと胡散臭い外国人選手とか、細長い外国人選手とか、武尊と火の出るような打ち合いをしたユン・チーの凄さとか説明できなくもないけど、多分この文言見て興味ある人はとっくに自発的に調べてると思うので、まあ察して欲しい。
ユン・チーは小宮山工介に勝った実力者だ、とか言われても凄いのか凄くないのか分かる人は人口の0.01%くらいしかいないはずので飛ばさせてもらう。(まあそういう理由で俺は陸上の記事を書かないわけなんだが。)

そんで武尊vs小澤の試合はなんと……

 

普通に武尊の圧勝で終わった。

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小澤も最後までKOされずに頑張って立っていたんだけど、なんか前回の試合より差が随分ついてしまって小澤が勝てる気がしなくて、小澤頑張れKOされるな、と応援してる内に3Rが終わってしまった。別に盛り下がった試合ではないんだがな。

画像で見ると負けた小澤は泣いているようにも見えるし、勝った武尊も緊張感から開放されたかのように嬉し泣きしていたから、よほど期すものがあったのだろう。
特に武尊は少し前に所属ジムのお家騒動で移籍したばかりだったから、なおさら負けられなかったはずだ。

新生K-1が気になった人へ

ここまで読んでくれた人は、新生K-1が旧K-1と大分違うものだということが分かってもらえたと思う。
新生K-1はネット配信に力を入れていて、YouTubeの公式アカウントには全ての大会の前座を除いた試合が上がっているから、興味ある人はぜひ見て欲しい。

昔のK-1と違って外国人スター選手がほとんどいなかったり、ヘビー級のトップ選手が出てないから迫力にかけるところもあるが、日本の軽量級の選手の魅力を最大限引き出そうとしていて、なおかつ長い目でじっくりと競技を育てていこうというスタンスが気に入っている。

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