鋼兵の引退騒動について考察。復帰はあるのか。KUN、ケツエメラルドとは何なのか。

どうも、ゴトーだ。

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俺は三度の飯よりニコニコ動画が好きでな。
2015年のニコニコ動画と言えば鋼兵の年だったと言ってもいい。

今回はそんな鋼兵にまつわる一連のエピソードをまとめてみた。
歴史上のどんな偉人よりも激動の半年を送った鋼兵という男の魅力が伝われた幸いだ。

鋼兵とは

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まずは鋼兵という男をあまりよく知らない人に向けて解説したい。

上の画像の男が鋼兵だ。年齢は不明だが、おそらく40歳で、通称「おじさん」とも呼ばれている。

職業は歌い手だ。歌手ではない。
歌手を目指していたが、メジャーデビューできなかったから歌い手という表現が適切だろう。

特技は尻からエメラルドを出すこと、ゆっくり解説動画で毒舌で運営を批判して信者を扇動すること、そしてハイトーンボイスだ。
最初の2つは後で説明するとして、鋼兵は長年歌手として下積み活動をしており、ハイトーンボイスが魅力な歌い手でもある。

ニコニコ動画では正統派の歌い手として王道の人気を得ていて、おなじみの「千本桜」ではミリオン再生も記録している。
しかし後述するように、様々な問題を起こしてすっかりネタキャラと化してしまった。

今となっては信じられないが、鋼兵は本当に歌を愛し、歌の世界で食っていこうという希望に満ち溢れていた青年だった。

歌のためにすべてを捧げていたし、辛いドサ回りもしていた。
JAM Projectのオーディションでは最終選考まで残るなど、実力派でもあった。
(今となってはJAM Projectに入っていたら大変なことになっていたから入らなくてよかったとは思うが)

しかし喉を壊してしまったのか、自堕落な生活が招いたのかはわからないが、後に歌唱力もめっきり低下し、自己顕示欲ばかりが肥大した人間になってしまった。
鋼兵から学ぶことは案外多いのだ。謙虚で慎ましく、それが一番であると。

運営批判シリーズ

鋼兵がおかしくなり、そして最も輝いていたのはこの頃だったと思う。

運営批判シリーズと称して、ゆっくりと言われる機械音声にしゃべらせ、紙芝居のスライドで「いかに運営が無能であるか」を紹介する動画だ。
今では鋼兵=ゆっくりの人と思われるくらいに浸透しているが、もともとは正統派の歌い手であり、このような動画を出した当初は意外とポジティブに受け入れられていた。

歌い手なのに分かりやすい説明だし、データも上手く使っていて説得力がある、と。

意外性が先行していたので、内容については精査されず、全体的には「鋼兵さんやるなー」という空気だったのだ。
かくいう俺もそうだった。

しかし、鋼兵の本心は別のところにあったようだ。

というのも、歌い手は世間とのイメージとは違って、ニコニコの中で求心力を失っていたジャンルであり、鋼兵は食い扶持をなくしそうになっている現状を快く思わず、もう一度ニコニコ動画の中でもう一度輝くための壮大な戦略だったのだ。

なんか文字面にすると俺の妄想みたいに見えるが、これは本人の口から語られた真実である。

極めて利己的なモチベーションだったのだが、廃れてしまったニコニコ動画を立て直すために奔走する正義のヒーローを演じ、これまで歌い手活動で獲得していた以上の信者をわずか数ヶ月で得ることに成功した。

鋼兵はもし引き際を弁えていたら、おそらく今もニコニコで栄華を極めていただろう。
歴史にifはないが、鋼兵にいくばくかの謙虚さがあれば…と思うところである。

しかし、鋼兵はこれで完全に味をしめていた。
この時にはまだ意外性が先行していたので批判も少なく、むしろ絶賛の嵐だったからだ。

これはいける、そう思った鋼兵は次々とゆっくり解説動画を上げていったのである。

鋼兵おかしいんじゃね?という空気

鋼兵はゆっくり解説動画を度々あげていくことで、すっかり歌い手から「ゆっくりの人」という印象に変わりつつあり、次第に内容を精査されるようになっていた。
内容を冷静に見返してみると、実は捏造や曲解の数々で、鋼兵にとって都合の良いように捻じ曲げられた解釈ばかりであったのだ。

やがて批判的な目がどんどん大きくなっていくのだが、鋼兵は気づかなかった。
圧倒的な信者コメントに隠された、サイレントマジョリティの心の声を。

そして鋼兵批判の急先鋒が現れてしまう。そう、KUNだ。

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KUNは元プロゲーマーのYouTuberだ。
プロゲーマーとしてアジア王者になるなどゲームの腕前はトップレベルだが、ニコニコでの知名度は全くなかった。

しかしKUNは賢い。頭が切れる。鋼兵のガバガバな論理構成を次々と面白おかしく暴いていく動画をあげたことで、情勢は徐々に反鋼兵側へと傾き続けた。

KUNは凄い男だ。なぜなら顔出し動画というニコニコで嫌われるジャンルで、あからさまな売名活動だったにも関わらず、反鋼兵分子を次々と取り込み、いつしかKUNが大勢側になってしまったからだ。
ハッキリ言ってネット上の売名でここまでうまく行った事例を俺は知らない。

こうして鋼兵勢力は徐々にKUN勢力によって劣勢を強いられていくのだが、鋼兵はここでとんでもない悪手をしてしまう。
そう「七つの大罪」である。

七つの大罪によって完全にネタキャラと化す

当時KUNはニコニコで多くの信者を集めており、たびたびニコニコ生放送を配信していた。
そんなKUNを快く思わなかった鋼兵は、なんと素性を隠したフリをして、鋼兵を擁護する自演コメントを書き込んでいたのだ。

そのコメントは7つあり、以下のものだ。

  • 動画見てれば分かるよ
  • KUNくやしかったの?
  • 悔しくなければもう構わなくていいじゃない?
  • 鋼兵に乗っからないと数字伸びないのは事実
  • KUN信者増えてないからなぁ
  • 鋼兵昨日KUNのこと語ってたよ
  • KUNは数字稼ぎで鋼兵使ってる小物って言ってた

とんでもなく痛いコメントの数々だ。
とてもニコニコのヒーローになろうとしていた男の発言ではない。

所詮、鋼兵は鋼兵だったのをこのコメントによって露呈させてしまったのだ。

ちなみになぜこれが鋼兵のコメントだとばれたのかというと、ニコニコ生放送には184コメントといって素性を隠してコメントできる機能があるのだが、鋼兵はニコニコの(自称)ご意見番にも関わらず184機能を知らず、素性がバレていないつもりで、思いっきりアカウントを晒してコメントしていたのだ。

あまりにもひどい展開ゆえに鋼兵はニコニコのヒーローでも何でもなく、単なる自己顕示欲のかたまりであることが完全に露見してしまった瞬間である。
これ以降、鋼兵は下り坂を転がり続ける。

ユーザーチャンネル開設も、ケツエメラルドで炎上

一般にはあまり知られていないが、ニコニコ動画で生計を立てている人の収入は、ほとんど「ユーザーチャンネル」というもので占めている。

これはどういうものかというと、お気に入りのゲーム実況者や歌い手が開設しているユーザーチャンネルに月額費用(ほとんどが540円)を支払うことで、チャンネル限定の動画や生放送を視聴できるという機能だ。

これは根強いファンから高い収益を直接受け取ることができるので、非常に割りの良いビジネスで、ニコニコ全体でトップの人気を誇るゲーム実況者の「キヨ」のチャンネル収益は年収1億円を超えている可能性が高い。

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鋼兵もおそらくはユーザーチャンネルの開設を目指して今まで動いていたのだろう。
見事注目を集めたことで、ユーザーチャンネル開設に成功し、KUN曰く「一般企業の課長くらいの年収」を得ることに成功した。

ユーザーチャンネルというのはクローズドなコミュニティなので炎上することは滅多にない。
なぜならヤバイ投稿をしても、一般会員は見られず、拡散されないからだ。

しかし鋼兵は違った。そんな常識を軽く打ち破るくらいのネタを投下したのだ。
それがケツエメラルド事件である。

なにやら物騒な名前だが、ただの間抜けな事件なので安心して欲しい。

鋼兵は「肝臓デトックス(レバーフラッシュ)と呼ばれる民間療法がおすすめ」という内容の記事をユーザーチャンネルに投稿したのだが、それが発端で炎上した。

実際には全く科学的根拠がないのだが、肝臓デトックスを行うことで、体内にある胆石を取り出せるという言い伝えがあり、それを鋼兵は信じてしまった。
そして鋼兵は自分の排泄物を胆石だと思いこんで、それをユーザーチャンネル会員向けにブログで晒してたのだが、民間療法を信じていない人にとっては単なる鋼兵のう◯こであり、余りにも酷いということで、会員限定にも関わらず、ニコニコ中に広がることになってしまった。

クローズドなユーザーチャンネルで炎上することはほとんどなく、鋼兵はその先駆けとなったのだ。
う◯こをネットに晒すという時点で鋼兵の市場価値は地に落ちていたのだが、これもほんの序曲にすぎない。

すしまみれからの「上級国民」発言

鋼兵は当時、ニコニコ生放送で自分の食事や帰宅などプライベートなシーンを垂れ流す放送をしていた。
そのため鋼兵がだいたいどの辺りに住んでいるのかは簡単に特定ができる状況で、それが後の住所特定騒動につながるのだが、それは一旦置いておこう。

鋼兵は本当に自己顕示欲が強く、生放送をするたびに「お前らそんなアンチコメントしてないで、俺みたいに金稼げよ」と四六時中つぶやいており、ある日寿司屋で寿司を食べるという放送を行っていた。

そこでつぶやいていたのが「かっぱ寿司みたいな100円寿司は寿司じゃないから」「俺みたいな上級国民じゃないと本当の寿司は食べられないの」といった内容なのだが、鋼兵が通っていた寿司屋は「すしまみれ」といって、鋼兵がバカにしていた「100円寿司」も提供する大衆寿司チェーンだったことが発覚してしまったのだ。

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大衆寿司屋をバカにしながら、自分自身が今まさに大衆寿司屋で食べているという、常人にはとてもできないような見栄の張り方で、「やはり鋼兵は鋼兵だった」というイメージがさらに定着してしまったシーンである。

なぜこんなにも鋼兵は金持ちであることをアピールしなければならなかったのか…その理由は定かではない。

夕焼けの画像から弟の住所特定

このような自分の生活圏を晒す配信をしながら、痛々しい発言を繰り返していたことで、鋼兵へのヘイトは最高潮に達していた。
やがて鋼兵の家を特定しようという動きが起き始める。

そして鋼兵がTwitterで投稿した夕日の画像が投稿されたが、それによって弟の自宅が完全に特定されてしまった。

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togetterなどでは「この夕日の写真一枚で特定された」と言い伝えられているが、それは間違いだ。

先程説明したように、鋼兵は自分の生活圏を晒していたことで、半径1km圏内なら誰でも特定できる状態にあり、また「すしまみれ」や通っていたコンビニが自宅近くにあるとなると、この時点で選択肢は極めて限定的だったのである。

実は夕日の画像が投稿される前から、3つほどのマンションが候補にあがっていて、夕日の画像が見えるところは3つの中からこの1つしかないということで特定されたという経緯である。

つまり普通に自宅からの画像を投稿した所で、一般の人が住所を特定されることはないし、その点は安心して欲しい。
鋼兵のように自己顕示欲があって初めて特定されるものなので、過剰に恐れる必要はない。

青山繁晴との握手

また、特定活動の際にとても面白いことが一つ発見されている。

鋼兵はTwitterで当時、参議院議員選挙に立候補していた青山繁晴氏と握手をしたというツイートをしていた。
そして偶然にも一般の人が投稿していた青山繁晴氏の選挙演説の動画に鋼兵が写り込んでおり、握手を求めているシーンが鮮明に映し出されていたのである。

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普段の歌い手活動とはまるで違うスーツ姿で眼鏡の小太りな男性。これこそが鋼兵だったのだ。
もしかしたらこの画像だけを見て鋼兵と決めつけるのは早計と思われるかもしれない。

しかし鋼兵はツイートで握手している手だけが映った画像を投稿しており、この動画内では鋼兵と思しき小太りな男性が「ちょっと手を映していいですか」という断りを入れていることから、100%鋼兵であることがバレてしまったのだ。

鋼兵はスーツ姿で、とても歌手活動をしているようには見えず、この時に就職活動していた可能性が高いことが指摘されている。

住所特定を原因として引退は本当か?

鋼兵はこれまで長らくヘイトを買ってきたものの、逆にそれを煽るような態度を取り続けていたが、自宅特定されると「家族に迷惑がかかるから引退する」と即日表明した。

しかし鋼兵はこの時40歳。
歌い手活動は人生の半分以上投資してきたものであり、ユーザーチャンネルでの収入もサラリーマン課長と同じくらいはあり、それほど貧しいわけでもない。

突然の引退宣言によって、これまで築き上げてきたものを壊すのは唐突すぎないかとして、本当の理由は何かと様々な憶測を読んだ。

そこで最も有力なのが、青山繁晴氏との握手の際に普段は着ないであろうスーツ姿に、金髪だった髪の毛も黒に染め直していることから、就職活動をしていた可能性が高いことが原因とする説である。

単に鋼兵は元から歌い手活動をやめたがっており、「住所特定されてまで続ける必要はない」とドライに割り切っていたのではないだろうか。
(ちなみに夏のコミケに出店が決まっていたのだが、引退を決めた後に無断欠席し、本人不在のまま炎上してしたのだが、それは別のお話)

他にも「(独身なので)付き合っている彼女にもうやめろと言われた説」「度重なる炎上に心が折れた説」「なんとなく説」などいくつかの説もあり、未だに多くの謎を残している。

歌劇派学生らが第二次鋼兵ブームを起こし、鋼兵が静かな抵抗をした仮説

本来なら引退すれば、すぐに騒動が止むのが常識だが、鋼兵は引退した後に第二次ブームが来てしまった。
それは前述したケツエメラルドのいじりや、一般弁護士男性を鋼兵に扮してMMDでお下品なネタをするといったものである。

KUNは既に獲得した信者とともにYouTubeに帰ってしまっており、代わりに死体蹴りをしたのが歌劇派学生である。

歌劇派学生は元劇団員で、歌い手よりも遥かに高い歌唱力を誇る。そんな男がケツエメラルドを揶揄したハイクオリティの動画を上げたことで注目された。
また歌劇派学生自身も自己顕示欲を発揮し、公式ニコ生で鋼兵をバカにしたような歌を歌ったことで、鋼兵の過去の黒歴史がたびたび抉られることになった。

そんな事態で心を痛めたのか、鋼兵と思しき人物が2ちゃんねるで唐突に歌劇派学生のアンチスレを立てるなどの動きがあったが、案の定「こいつ鋼兵じゃね」と言われる始末だった。
ちなみに鋼兵は引退してからも自身のアカウントでニコニコの閲覧を続けており、「例のアレ」カテゴリで活躍していたaiueo700こと岩間好一の動画をマイリスしていたことでも話題になった。

このように現在でも死体蹴りのような鋼兵叩きは続いており、つわはすのように直接誰かに被害を与えたわけでもないにも関わらず、ここまで炎上が続くのは後にも先にも鋼兵だけだろう。

鋼兵は復帰するのか

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ここで鋼兵の復活可能性について触れておきたい。

2015年に引退した大物といえば、この鋼兵と、妊娠中絶騒動で引退した「つわはす」だ。

個人的にはつわはすは高確率で復帰すると見ているが、鋼兵に関しては大分低いだというとみている。
もっとも低いというだけで、30%ほどはあると考えている。

なぜつわはすと比べて低いのかというと、ニコニコの中で最も人気があるのはゲーム実況者で、トップレベルの実況者がチャンネルを解説すれば数千万円~億単位の収入が保証される。
つわはすはトップの一角だったので、間違いなく数千万円以上の年収が得られていたはずだ。

しかし、鋼兵はゲーム実況者ではなく、当時波に乗っていた当時ですら「一般企業の課長」程度の収入を得ておらず、ほとぼりが冷めた頃に復帰してもそれよりも随分低いくらいの収入しか得られないだろう。

さらに年齢的にも鋼兵は手に職をつけなければならず、動画活動をしている場合ではないというのも一つの要因だ。

しかしポジティブ要因としては、鋼兵はつわはすと同じく、自己愛が常人の何倍もあることで、それがキッカケで戻ってくる可能性はあると思う。
ただしこれはあくまで本人のモチベーションありきなので、実際のところは懐疑的だ。

これらを総合すると30%程度というのはあながち間違いではないと思っている。

とはいえ40歳を越えてまで、子供たちを扇動して収入を得るというやり方はちょっと悲しいものがあるなら、おとなしく仕事をしていた方が良いと思う。
その方が鋼兵にとっても、世間にとっても望ましい。

引退しても収まらない人気

鋼兵は引退した今なお、死体蹴りのように2015年以降の出来事を揶揄した動画が次々と挙げられている。

例えば、鋼兵がアニメのにわか知識を披露して散々バカにされたものが、2016年11月26日に投稿され、瞬く間に10万再生を突破している。

鋼兵を知らずにこの動画だけを見たら事実を歪曲しているように感じられるかもしれないが、何とこれは実話だ。
このようなことを1年間繰り返していたのだから、それはネタキャラ化するよな…と再確認させられた動画でもある。

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